前回の記事でキャンペーンマネジメントは米国では「クロスチャネルキャンペーンマネジメント=CCCM」もしくは「マルチチャネルキャンペーンマネジメント=MCCM」などと分類されることが多いものの、本連載の中では比較的日本で馴染みがある「キャンペーンマネジメントシステム=CMS」で通しますと書きましたが、色々考えた末方針を変更させていただくことにしました。
- 理由1:CMSはコンテンツマネジメントシステムの略として使われることの方が一般的で、途中から読む読者は混乱をきたす可能性が高い。
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理由2:クロスチャネルでコミュニケーションをコントロールする機能の重要性が高まっており、今後議論をする上でも欠くべからざる要素である。
以上のような理由から、今後本稿では「クロスチャネルキャンペーンマネジメント=CCCM」という呼称に統一させていただきたいと思います。混乱を招いてしまい誠に申し訳ありませんでした。
急速にマーケティング分野に進出する大手ITベンダー
CCCMについてはこちらの記事でもガートナージャパンシニアアナリストの川辺氏によるマルチチャネルキャンペーンマネジメント(MCCM)の現状やベンダー各社に関する解説が紹介されているのでご参考になると思います。
ここでは少し視点を変えて昨年から今年にかけて立て続けに起きた大手ITベンダーによるCCCMの買収について考えてみたいと思います。
昨年AdobeがNeolaneを、salesforce.comがExactTargetを、今年に入ってOracleがResponsysを買収しました。また今年4月にはIBMがSilverpopの買収を発表しています。
上記のIT大手4社はCCCM以外にもマーケティング関連のベンダーを次々に買収していて、今はどのベンダーがどこに買収されたのかさえ覚えきれないほどです。2010年頃から各社が買収してきたマーケティング関連の主なベンダーを、おおまかに機能別にまとめてみると表のようになります。
この表を見ると、各社がここ数年のうちに急速にマーケティングテクノロジー分野に進出してきていることが分かります。IBMやOracleがモバイルプッシュのベンダーやDMPベンダーを買収するというのは5年前には全く想像できなかった展開ではないでしょうか。
そして各社ともに表現は違いますが、ようは「お客様一人一人に最適なコミュニケーションをクロスチャネルで実行する」というコンセプトのもとIBM Enterprise Marketing Management、Oracle Marketing Cloud、Adobe Marketing Cloud、ExactTarget Marketing Cloud(salesforce.com)といった呼称で、これらのマーケティングソリューションをまとめて提供し始めています。