売れるクリエイティブを見つけだせ!
DRMの世界では、「買う」「買わない」のボーダーラインを決める作業は、『調査→仮説立て→テスト→Winnerの決定』の繰り返しが基本です。特に、俗に言うPDCAのフローにおいては、売上を上げ続けるためにも、一度設定したビジネススキームを見直す意味で常にこのようなサイクルを意識する必要があるでしょう。
さて、この繰り返しフローのキーは、なんと言っても「テスト」にあります。従来はここをマーケターの思い込みやクリエイターの感覚に頼りがちだったのですが、それは危険だと言えます。以下に挙げる新聞広告での事例もまさにこれです。
ある生保会社が、通販を主体にした個人向けの医療保険を販売していました。訴求対象の中心に据えた「主婦」というキーワードから連想されるイメージとして、マンガチックな女性キャラクターを使用したり、掛け金の安さのみを訴求したりしていましたが、CPR(Cost Per Response)単価が非常に高く、失敗と位置付けられていました。
そこで電通ワンダーマンがこのプロジェクトを引き継ぎ、CPRの改善を目指して、真の「強い」「売れる」クリエイティブを創り出すことになったのです。
まず、現状の広告をチェック。その結果、改訂のキーポイントがいくつか見つかりました。
・誰に話すか、対象を絞り込む
・お得感を強調する
・業界初の商品性の高さをきちんと表現する
・一生涯続く保険ならではの安心感を見せる
・通販ならではの利便性を理解させる
・仕組みを強調するのではなく、ユーザーにとっての「良さ」の話に集中させる
これらは、2ページで紹介したキーポイントと連動していることは言うまでもありません。
さあ、これらの要素に軽重を付け、どれを前面に出した案が最も「強い」のかを、スプリットラン・テストで実証したわけです。そのフローが以下の図です。
実際の絵をお見せできないのでわかりにくいのが残念ですが、テストの手法は、いわゆるトーナメント制のイメージです。訴求テーマ毎にクリエイティブ案を作り、実際に同時期に同じメディアにスプリットランで出稿してみて、直接レスポンスを計ってCPR単価で比較していきます。次週にはその勝ち上がった案と、別のテーマのクリエイティブ案とを対比させることになるのです。