「お客さまが誰で、なぜ自社が勝つのか」上位の戦略を明確に
取締役副社長
林田七恵氏
また、ここで事業主側と支援者側、両サイドの経験を有する林田氏に、「どのような体制が組織にとってベストだと思いますか」と月成氏は問いかける。
「WEBの部署は、通販事業部全体の縮図です。機能性で切った軸(領域役職タイプ)と、売上などの目的などで区切ったミッション軸(商品別分担タイプ)、どちらもメリット・デメリットがありますが、大事なのは最初の戦略です。
『お客さまが誰で、なぜ自社が勝つのか』、この戦略さえ共有できていれば担当の役割を超えて、ディスカッションしていくことができます。逆に、上位の戦略が明確になっていないと、それぞれのKPIは達成したとしても齟齬が出てきます。
新規のCPOやリピート率といった各領域の目標数値ではなく、年間の客単価(LTV)をどれくらいにするのか、それはなぜなのか。そして競合企業はどこで、なぜ自社が勝てるのか。どんな顧客像を持ってくるべきなのか。そこが上位の戦略で明確に設定されていれば、担当の領域を超えた共通の言語がそこに生まれます。ですので、戦略が明確になったうえでの機能軸が最も強いと思います」(林田氏)
現場のWEB担当者が向き合っている課題
そして、「WEB担当者の課題」の集計結果が発表された。課題のトップ5は、「新規顧客の確保」「既存顧客の維持」「スマホ/タブレット対応」「顧客とのコミュニケーション」「ランディングページなどのクリエイティブ制作」であった。
取締役COO 兼 パフォーマンスマネイジメント部マネージャー
倉橋美佳氏
また、6位に「CPO/CPRの高騰」があがっていることに対して、「プレイヤーが増えてきたことから、CPO/CPRが高騰してしまい、その結果CRMに力を入れるようになっているのでしょうか。実際にあがってきた課題の傾向をみて、倉橋さんはどのようにお考えですか?」と月成氏。
「スマートフォンやPCなど、デバイスも色々と増えています。メールもスマートフォンで見るのか、PCで見るのか。そしてタイミングによって違ったりもします。時間軸、デバイスなど様々な要素が複雑に掛け合わさり、顧客との接触ポイントが多様化した今日において、それぞれをきちんとつないでいく重要度が増しています。これまでは点で施策を行えば数字が改善していましたが、今では点と点をつなげた線の施策で対応していく必要があります」(倉橋氏)
