お色気だけじゃない! AXEのコンテンツ
ユニリーバ・ジャパンが展開する男性用化粧品ブランド「AXE (アックス)」は2007年の日本初上陸からデジタル戦略、企画、デザイン、実装をバスキュールが担当しているブランドです。AXEのデジタルキャンペーンというと、「AXE DRY HOT ANGLE」等のお色気路線のイメージ、「AXE NEURO LABO」等のおもしろ演出やサプライズ的な仕掛けが注目されがちです。しかし、これらのコンテンツは毎回、AXEのブランドコアにあるコミュニケーションメッセージに対して、表現の必然性やユーザーのエモーションについての検討を積み重ねることで生まれています。
ここでは7月に公開されたAXEの最新コンテンツ「WORLD PEACE MAKER」を紹介します。これは、世界中で知られている地雷除去ゲーム、マインスイーパーを活用したコンテンツです。

このコンテンツは新商品プロモーションの一環として、商品コンセプト「香りで恋をする。世界は変わる。(Make Love, Not War)」を体現するコンテンツとは? という観点で作り上げられています。企画自体は、今までのお色気路線とは違うキャンペーンの方向性や、達成すべきミッションを話し合うところからスタートしました。その結果、「世の中の一触即発な心の地雷を、ゲームに参加することにより除去し、世界の平和に思いを馳せてもらう人が1人でも増えること」をコンセプトとして、最終的に世界中で知られている地雷除去ゲーム・マインスイーパーをもとにしたゲームコンテンツに到達しました。
ゲームは「BASIC STAGE」と、Twitterアカウントと連携して、オリジナルのゲームステージを作ることができる「SOCIAL STAGE」、旬な話題をマインスイーパー化する「TOPIC STAGE」の3種類を用意しています。「BASIC STAGE」は今年発売の新製品WORLD PEACEのコンセプトに基づいたステージです。「SOCIAL STAGE」はユーザーの自分ごと化を図りやすくするために用意しました。「TOPIC STAGE」は話題のネタを取り扱うことでブランドの認知を継続的に獲得することを目的としています。

さらに、公開後にはニコニコ生放送を通してイベントを実施。コンテンツに込められた意図や楽しみ方を伝える場という、体験者と拡散を増やすトリガーを提供しました。今回は新商品ブランドの話題喚起を目指したため、ソーシャルでどのようにシェアや話題作りがされるかがKPIとなっています。
グローバルコンセプトである「Make Love, Not War」を日本のデジタルユーザーに受け入れやすい形に変換すること、そして、コンテンツ訴求力を高めるためニコニコ放送を利用し生主・タレントによるターゲットオーディエンスへの情報伝達を活用した点が、キーチャレンジとなったコンテンツでした。なおAXEでは、瞬間的な盛り上がりではなく、自走する長期的なユーザーとのコミュニケーション構築を狙っています。そのため、今後も段階的にコンテンツを公開していく予定です。
深夜の画期的チャレンジ、Yahoo! Japan ヨルパネ!
ヨルパネ! は、ヤフーと共に「広告をコンテンツ化」するためのチャレンジプロジェクトです。仕組みとしては日本で最もプレシャスな広告媒体であるYahoo! JAPANトップページのブランドパネルバナーエリア(ブラパネ)を深夜25時~26時の1時間のみクリエイターに解放し、クリエイティブ作品を流すというもの。バナーエリアに今までの広告概念を超えたコンテンツが流れます。

この企画のウラには既存のバナーではクリックしてもらえない・情報を流すだけでは見てもらえないという情報過多の時代背景があります。情報過多時代にクリエイティブのチカラでユーザーの興味を惹くことは可能なのか? 通常はバナーエリアとして販売されている矩形をギャラリーにして、クリエイティブ作品を流すことでユーザーの反応を得るための試みです。

この取り組みは、深夜25時~26時の1時間限定でバナーエリアに広告以外のクリエイティブコンテンツを流すという「Webの世界にテレビ・ラジオのようなタイムテーブルの概念を持って来る」という、メディアチャレンジをしています。深夜のテレビ、ラジオ番組からカルチャーが生まれるように深夜のWebからカルチャーが生まれるにはどのような取り組みが良いのか? 検討した結果「時間制限を持たせる」Webコンテンツという答えになりました。
また、通常のバナー広告では許されていない音声自動再生や、トップページジャックなども実験し、次世代広告として相応しいクリエイティブを探っています。百聞は一見にしかず、8月末までヨルパネ!を実施中なので、ぜひ深夜25時にYahoo! JAPANトップにアクセスしてください。
企業が自社メッセージを一方通行で届ける時代が終わり、ユーザー視点で受け入れられるコンテンツが求められる時代です。デジタル世界では、よりエモーションに刺さるコンテンツが必要です。バスキュールでは今までの経験をもとに、よりエモーションにささるコンテンツ開発を目指していきます。
