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統括編集長インタビュー

「ブランド戦略の一環として」グローバル化を推進する日立製作所Webリニューアルの舞台裏

レベル別の教育講座で各社のWeb担当者をフォロー

押久保:確かに、Webは訪れるユーザーの動向を含めて、現場での発見も多いので、統一ルールと現場感覚を活かしたブラッシュアップがうまく調和できるといいですね。

池端:ええ。以前の厳しいガイドラインを敷いていたときに、外部の方から「日立のロゴと統一されたヘッダーがあるだけで、もう十分そろっていますよね」と言われたことがあったんです。外からは意外と細かいところは見えていないんだなと、それなら枠組みはしっかりつくり、コンテンツの表現は任せてもいいのかなと思うようになりました。メリハリをつけた結果、ルールの総量も減りました。

押久保:そうなんですね。グループ企業や海外を含めると、Web担当者のリテラシーもさまざまだと思いますが、そういう部分はどうフォローしているのですか?

池端:年に数回、レベル別に講座を設けて、担当者のリテラシーの底上げを目的に教育講座を実施しています。例えば、小さい規模のグループ会社だと社員数十から100人程度で、Webを管理する人は総務や企画部で兼務し、しかも担当者は数年ごとにジョブローテーションで入れ替わってしまう、そういう例が非常に多いのです。

 そうした人向けの入門講座から、KPI策定まで学ぶ上級の講座、それから今はデジタルマーケティングの講座も独自に開発中です。また、コーポレート部門や支社のサイトなどの運営についてはCMSを使い、テンプレートを活用できるようにしています。

西田:海外では北米やヨーロッパ、中国など各エリアの拠点に我々の仲間である広報宣伝やWebを担当する者がいるので、その者が周知し、相談窓口にもなっています。

自由度を持たせた結果、グループ会社との関係構築にも効果

押久保:今回のリニューアルについて、現時点での手応えはいかがですか?

西田:ある程度の自由度を持たせたことで、各社・各部門が工夫できる範囲に余裕が生まれ、ルールばかりに縛られず発展的な話ができるようになりました。相談の質が変わって、いい関係ができてきています。

池端:時間はかかりましたが、07年以降に挙がった懸案事項を今回の改訂に反映して、ある程度解消できました。これからは積極的にWebを運営できるところは、自分たちでブランド戦略にWebを活用していけると思います。

 ただその反面、二極化が進んでいるのが課題だと感じています。リテラシーがあまり高くなく、運用体制がコンパクトな会社がまだまだ多い反面、十分にスキルもリテラシーもある担当者がいる会社は、Webをマーケティングに活用するツールとして、どんどん前に進んでいきます。こちらとしては、前者がそのままになってしまうのは避けたいので、先ほどの教育講座などで全体の底上げを図っていきたいです。

押久保:確かに、それもグループシナジーを生み出すには必要ですね。では最後に、今後の展望をお教えください。

西田:直近では、今回のリニューアルの効果測定に取り組む予定です。これまでも恒常的に調査会社によるユーザー調査を行ったり、外部評価機関の評価をベンチマークしたりしていますが、例えばトップページからどれだけグループ会社へ誘導できたかなど、グループシナジーに注目した新しい視点も加えて定点測定する必要があると思っています。

 中長期的には、海外サイトへの新しいデザインガイドラインの適用をさらに進めて、Webによるグローバルでの存在感をさらに強めていきます。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/09/30 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20818

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