創業1年、約700社のサイトの“カイゼン”続ける
押久保:須藤さんには、リクルートに在籍されていた際にMarkeZine Dayにてアドテクの実践を講演していただきました(参考記事)。昨年3月にKAIZEN platformを創業されてから1年あまりですが、スタッフも増え、急成長している印象があります。
須藤:おかげさまで、昨年末の15人程度から60人近くになり、今も特にエンジニアの採用に力を入れています。ビジネス環境としても、創業当時よりも今のほうが企業のグロースハックへの関心が高く、現在は大手企業約60社、中小企業で600社ほどにサービスを提供しています。
押久保:小川さんと滝野さんは、いつごろから参画されているんですか?
小川:2人とも、正式には今年の2月からです。僕は元々Googleで広告営業の責任者をしていて、当時から集客後のフォローとして須藤と組んでKAIZENのサイト改善プラットフォーム「planBCD」をクライアントに提案したりしていました。なので、ニーズはあるなと思っていたんです。
滝野:僕はアメリカのGREEにいたんですが、日本人がサンフランシスコでおもしろい事業を立ち上げたと耳にして、オフィスを訪ねたらまだ倉庫みたいな感じでした(笑)。アドもアプリも提供する中で、コンバージョンの最大化策として社内でやろうと思っていたことをKAIZENも模索していたので、須藤と意気投合して加わることになりました。
オンラインのユーザー体験すべてを最適化
押久保:9月16日に、サイトを“カイゼン”するプラットフォーム「planBCD」を大幅にバージョンアップすると発表されました(プレスリリース)。具体的にはどう変わるのでしょうか?
須藤:「planBCD」は元々、サイトのA/Bテストを自動化してUIを改善し、コンバージョンを最大化できるプラットフォームでした。よく聞かれるんですが、既存のマーケティングオートメーションツールと異なるのは、当社が抱える数百人のグロースハッカーであるデザイナーによる、頭を使ったアナログな提案を提供できる点です。さまざまな案件を手掛けることで彼らは成長し、また企業が気づいていない課題も見つけて直すことができます。
今回発表したのは、各広告配信事業社と連携して、その改善の範疇を広告クリエイティブにまで広げるという内容です。
押久保:広告クリエイティブのA/Bテストも、既存のサービスがありますが、それらをつなぎ込んでシームレスな最適化を図るということですか?
須藤:そうですね。結局、広告クリエイティブのCTR最適化はできても、そこから誘導されるランディングページがイマイチだと、まだ効果を引き上げる余地があるのに逃してしまう。逆もしかりですが、それは個別最適化であって、全体最適化ではないですよね。
広告との連携を皮切りに、メールやソーシャルメディアでの接触も連携させて、オンラインのユーザー体験を包括的に改善できるプラットフォームへと変えていきます。同時に、当社に蓄積するデータから業界別の傾向を導き出して、改善率などの統計も出していくつもりです。また広告の連携機能は年内にβ版提供を予定しています。