ユーザーが主役になれる「場」
バスキュールでは、これまでにいくつものニコニコ生放送を活用したリアルタイムイベントを実施してきました。
徹底的なユーザー目線の運営がもたらす共感
Yahoo! JAPANの企画で2014年4月~8月まで月2回定期的に放送していたニコニコ生放送番組「ヤフヤフ放送局」があります。人気ニコニコタレントがYahoo!ニュースの中から気になる時事ネタをピックアップして自由に話すという、生放送でのトーク番組でした。

ヤフーがスポンサーの企画ですが、宣伝色は極力抑えてタレント達に自由にYahoo!ニュースやYahoo!サービスをネタに話をしてもらうだけの3時間生放送です。毎回5万人を超える視聴者と8万件程のコメント投稿※があり、番組終了時の視聴者アンケートによると満足度が平均で95%を超える※2という結果を出しました。
※ ニコニコの世界では、視聴者数よりもコメント数が上回ると盛り上がっているチャンネルとして認知されるそうです。
※2 通常のニコニコ生放送の満足度は70%程のようです。
この企画が成功したポイントは、題材としてヤフーのコンテンツを利用しつつも企業のマーケティングメッセージはほぼ排除し、出演者たちの裁量によるリアルな番組の進行が行われていく形式を一貫して運営したことです。また、Googleで検索することを促す「ググレカス!(ggrks!)」という言葉がありますが、同番組内では「Yahoo! JAPANで検索してね」と言う代わりに「ヤフレカス!(yhrks!)」を使う等、ある意味自虐的に視聴者がいじりたくなる余白をもたせました。
ニコニコ視聴者の目線をリアルにつかんでいる出演者たちと、視聴者が一体と感じる場を作り出す。そうすることによって、視聴者にとっては押し付けられた企業色を感じることなく、むしろ企業側が自分たちの側に近い存在であるという親近感を持ちながら、結果として飽きずにリピート視聴という行動につなぐことができたのです。

ニコニコ視聴者が気に入るスタイルでの番組、すなわちユーザーが「おもしろいから見たい」と欲するものを提供する運営を貫くことが「番組というコンテンツ」を利用したマーケティング戦略の成功のカギだと言えます。そして、番組終了後も企業とユーザーが繋がる仕組みとして資産化したのも特徴だと言えます。ニコニコ生放送での盛り上がりを一定期間のお祭りで終わらせないように、Twitterアカウントでフォロワーを10,000人以上獲得し、今後のマーケティングツールとして活用できるようにしました。