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ネットとリアルでツールを使い分けるのはナンセンス カラーミーショップ×コイニ―連携記念対談

 実店舗とネットショップの境目がなくなる――。そんな未来を見据えて、ネットショップ運営サービス「カラーミーショップ」とクレジットカード決済サービス「コイニー」が連携。GMOペパボ取締役・星隼人さんとコイニー代表・佐俣奈緒子さんに、「ショップの未来」について対談してもらった。

すべての店長さんのために!カラーミーショップ×コイニ―連携

 ネットショップ運営サービス「カラーミーショップ」と実店舗向けクレジットカード決済サービス「コイニー」が連携し、「商品データ共有機能」が追加された。カラーミーショップを利用しているネットショップオーナーは、ボタン1つで、ネットショップ上の商品データをコイニーのアプリに追加できるようになった。ネットショップに商品が登録されていれば、実店舗でそのデータを使って決済が可能になる。

 「オムニチャネル」というと大企業の取り組みが目立つが、中小規模のショップでも、実店舗とネットショップを持ち、双方を連携させたいと考えているところは少なくない。システムがつながることで効率的に運用できるほか、展示会などのイベントの現場で販売するなどオフラインでの新たな展開も考えられる。

 今回の連携の先に、どのような「ショップの未来」を見ているのだろうか。GMOペパボ取締役・星隼人さんとコイニー代表・佐俣奈緒子さんに対談してもらった。

GMOペパボ取締役・星隼人さんとコイニー代表・佐俣奈緒子さん
GMOペパボ取締役・星隼人さんとコイニー代表・佐俣奈緒子さん

ネットショップオーナーの夢「実店舗を持ちたい」を支援

 今回の連携は、カラーミーショップのほうからお声がけしました。理由は、カラーミーショップをご利用いただいているネットショップオーナーさんを、インターネット以外のフィールドでも支援したいと思ったからです。

 今、カラーミーショップ上では3.6秒に1つ、商品が売れている計算になるんですよね。それぐらいの規模になってくると、ネットショップだけでなく実店舗を持つに至った方も多くなってきました。ネットショップオーナーは「最終的には実店舗を持ちたい」という方が実はすごく多いんですよね。ECの黎明期は実店舗を持つ方がECに進出するイメージでしたが、今やECでの成功をきっかけに実店舗展開という流れができています。

 そういった実店舗展開を見据えたショップオーナーをサポートするには、当社で新たにPOSシステムやレジを始めるよりは、すでにある他社の素晴らしいサービスと連携させていただくほうがいいだろうと。いろいろ調べていたら、お菓子屋さんの『Afterhours(アフターアワーズ)』さんが、ネットショップはカラーミーショップを、実店舗ではコイニーさんの決済をお使いだったんですよね。こういうショップが増えたら、ハッピーになるだろうなと思ったのが始まりです。

 ECで実績が出たから実店舗を出そう、という方たちにとって、導入が簡単なコイニーは使いやすいでしょうし、今回の「商品データ共有機能」を使ってもらえれば、いっそうレジも使いやすいですよね。

アフターアワーズ
http://store.forafterhours.jp/

佐俣 実店舗を始めるとなると、みなさん売るものや場所から準備していくので、レジは後回しにされがちです。でもレジは買うと高いですし、クレジットカード決済に至っては、導入の審査に3週間、セットアップを含めて2ヶ月かかってしまう場合もあります。「お店のオープンにクレジットカード決済が間に合わないんだけど、何とかならないか」とご相談が寄せられることも。コイニーは最短2日でお使いいただけるのが強みの1つなので。

 今回のカラーミーショップとの「商品データ連携」については、ネットショップの商品データを活用してイベントで販売したいという声が寄せられていたこともあり、取り組みました。最近は、ハンドメイド系のイベントや屋外の屋台市などでも、コイニーをお使いいただいています。クレジットカード決済だと、お客様も「もう1つ買おうかな」と財布の紐がゆるむので、売上を立てやすくなるのではないでしょうか。

 実店舗の方も間口を広げようと、イベントやネットショップに取り組もうとされています。ただ、リアルな商売から始められた方たちには、インターネットは心理的なハードルが高いようです。カラーミーショップのようなツールを使えばもっと簡単にできますよ、というのを実店舗の方にも伝えていきたいですね。

サービス導入は地方でも盛ん 個性を出せる分、むしろ有利?

 インターネットへの心理的なハードルが高いということですが、コイニーさんの利用は地域で差があったりしますか?

コイニー佐俣さん写真
コイニー株式会社 代表取締役社長 佐俣奈緒子さん

佐俣 コイニーを始める際、都会でiPhoneを持っている先進的な若い方々に使われるだろうと思っていたのですが、実際には地方の方が半分くらい。特徴的な使われかたとしては、沖縄の離島のような場所でしょうか。地方都市で観光客は多いけれどカード会社の営業が届いていないところで使われていて、長期休暇のときに売上がどかんと上がる。たとえば、観光地のツアー代金を当日集金して1日中大金を持ち歩くツアーガイドさんは大変ですよね。コイニーのリーダーは小さくてスマホと一緒に持ち歩けますし、金額が高いツアーならクレジットカード決済が喜ばれるのではないでしょうか。

 ネットショップでは、もはやクレジットカードが使えないところでは買わない人もいますしね。

 4月に開催した「カラーミーショップ大賞」では、熊本産の農産物を販売する『FLCパートナーズストア』さんや沖縄の『ブエノチキン浦添』さんなど、地方のネットショップがたくさん受賞されました。立地的なデメリットのないインターネットの世界では、地方色で個性を打ち出せる地方ショップのほうが有利かもしれませんね。

ブエノチキン浦添
http://shop.buenourasoe.com/

物を買うという行為に、リアルもネットもない

星 カラーミーショップで構築されたネットショップは、京都で手ぬぐいや足袋を製造・販売する『sousou』さんや、フランス雑貨の『Zakka MiniMini』さんなど、そこでしか買えないものを扱っているところが多いです。型番商品は、値段がいちばん安いところで買いますよね。それも1つの価値ですが、カラーミーショップとしては、オリジナリティの高いショップさんを応援していきたいと考えています。

 それは商品だけでなく、ネットショップ自体も同じです。私たちが提供している基本テンプレートをどうカスタマイズしたらこれが出来上がるんだろうとか、この機能をこういうふうに使うのか、と驚かされるネットショップがたくさんあります。まずは無料サービスではじめてみたけれど、もっと自分らしいお店にデザインしたいとカラーミーショップに移行される方も多いですね。

SOU・SOU
http://sousounetshop.jp/

佐俣 確かに見た目は大切ですよね。コイニーのリーダーを「かわいい」と言ってくださって、お客様と仲良くなったという話も聞きます。お客様に見えるものですから、かわいさには注意して作ったんです。女性がポーチに入れてもイヤじゃないものを目指しました。色を白にしたのは、お店に溶け込み、邪魔をしないようにです。

GMOペパボ星隼人さん
GMOペパボ株式会社 取締役 EC事業部長 星隼人さん

 それは女性ならではの目線かもしれないですね。でも、この10年でネットショッピングが当たり前になり、物を買うという行為が、リアルもネットも関係なくなってきましたよね。

佐俣 スマートフォンによって、さらにオンラインとオフラインの差がなくなってきていますね。それなら、ツールを選ぶ際にも、これはネットで使うもの、これはリアルで使うもの、と分けるのはナンセンスだと思います。コイニーでは、ワンパッケージで提供できるようサービスを作っていきたいと思います。

 そうですね。カラーミーショップも、APIによる売上げ情報の連携・確定申告のサポートのため「マネーフォワード」さんと、SNSからの集客支援のため「People & Store」さん、当社内でも海外向け販売支援のため、「Jugem Cart(ジュゲムカート)」と連携しています。

 ネットショップから実店舗へ、日本から海外へと、ネットショップ構築サービスという枠を超えて、さまざまな企業と積極的に提携して店舗運営全般を任せていただけるようになりたいですね。あらゆる障壁をクリアするツールを提供して、ショップやショップオーナーのみなさんにのびのびと成長して行っていただけるようなサービスを目指していきます。

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この記事の著者

倭田 須美恵(ワダ スミエ)

2013年11月11日、ECzine立ち上げ。ならではの視点でECに関する情報をお届けしたいと思います。

●外部メディアに登場!
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[動画]ECみらい会議vol.2「プラットフォーム乱立時代!EC事業者の選択と集中を考えよう」
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[執筆]NP通信

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MarkeZine(マーケジン)
2014/11/26 13:00 https://markezine.jp/article/detail/21330