リリース3か月で利用企業70社超、注目のサービス
アイモバイルとサイジニアは4月22日、「ダイナミックリターゲティング広告活用テクニックとデータフィードの勘ドコロ」と題したセミナーを開催。アイモバイルの岡本俊介氏と、サイジニアの北村哲也氏がパーソナライズドレコメンド広告配信サービス「アイレコ」の活用事例や効果を高めるためのノウハウを紹介した。
アイレコは、国内最大級のアドネットワーク「i-mobile」を提供するアイモバイルと、高性能レコメンドエンジン「deqwas.AD(以下、デクワス)」を提供するサイジニアがタッグを組んだサービス。ユーザーの趣向に合わせて最適な広告(ダイナミックリターゲティング広告)を配信することが可能で、高い広告効果を期待することができる。そのため、リリースから3か月で利用申し込みが70社を突破。現在、注目のサービスだ(さらにセミナー終了後、5月20日時点で申込企業は100社を超えたそうです!)。
931億impのアドネットワーク×趣味嗜好性を分析するアルゴリズム
アイレコを構成する「i-mobile」は、モバイル・PC・スマホに対応したマルチデバイスのアドネットワーク。提携メディア数はスマホ版約85,000サイト、PC版約54,000サイト、モバイル版約86,000サイトと数多くの配信先を持つ月間総広告配信数は3デバイスで931億インプレッションにのぼり、アプリインストール等を除いた、EC・人材・不動産等のクライアントだけで月間300社以上の配信実績を持つ。
「i-mobileは2007年よりモバイル版をスタートしました。2011年にスマホ版とPC版をリリースした際に、モバイル時代からお取引のあるwebメディア様に数多くご参画頂くことで、広告主様の効果も非常に好調です。」(岡本氏)
サイジニアの広告表示アルゴリズム「デクワス」は、趣味嗜好性を推測し、レコメンドをする点に強みを持つ。例えば、ECサイトでスターウォーズエピソード4のDVDを閲覧したとしよう。通常のアルゴリズムでは、統計的に他の人も多く見ている、スターウォーズエピソード5など同じ映画シリーズの別エピソードのDVDがレコメンド表示される。しかし、このようなレコメンドは、ユーザーから見ると既に知っている商品であることが多く、拡張性がない。
一方、デクワスは嗜好の類似した商品を抽出する。そのため、通常のレコメンドに加え、現在人気のあるSF作品や、スターウォーズエピソード4と同年代の作品や、同じ監督の別の作品などを表示することができる。「“探す”のではなく、“出くわす” というユーザー体験を実現することが弊社独自のレコメンドアルゴリズムです」(北村氏)
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良好なユーザー体験の鍵は「レコメンド範囲の拡張」
デクワスはどのように趣味嗜好を選出しているのだろうか。北村氏は「複雑ネットワークという医学や遺伝学でも使われている最先端の分析技術を使ってレコメンドアルゴリズムを開発しています」と語り、2つの特徴を紹介した。
1つ目の特徴がレコメンド範囲の拡張だ。北村氏はアパレル企業の購買データを例に説明した。下の図を見ると、ユーザーの購買パターンは非常に複雑だ。しかし、データを紐解いていくと、その中にも単純な法則がある。それを分析することで、データ処理を格段に速くしているという。
カラフルな円は小物やシャツといった各商品を表し、矢印は、次にどの商品を購入する傾向にあるかを予測している。一部を拡大すると、下の図のように商品群と商品群が線でつながっていることがわかる。これらの各商品群をつなぐ矢印をたどることで、ユーザーが何を購入するかがわかるわけだ。
例えば、ベルトからはパンツやジャケット、カジュアルシャツに矢印がつながっています。つまり、ベルトを購入したユーザーには矢印の先の商品がオススメ商品だといえる。しかし、これでは誰もが予測できる範囲だ。ここで活きてくるのが、デクワスの持つ趣味嗜好による予測アルゴリズムだ。
「例えば、次の図を見るとベルトとブルゾンは直接、矢印ではつながっていません。ですが、カジュアルシャツを経由してつながっています(緑の矢印)。デクワスはベルトを閲覧したユーザーのおすすめ商品として、ブルゾンを紹介します。レコメンド対象を一段拡げることで、ユーザーが見つけられなかった商品や、新たに興味を持つような商品に出くわすことができるのです」(北村氏)
次に購入する商品の傾向を分析
もう1つの特徴が、相互商品間の関係性だ。例えば、ジャケットとパンツは両方向に矢印がある。これはジャケットとパンツは一緒に購入されていることを示す。対して、コートとパンツは一方向にしか矢印がない。これはコートを買った人はパンツを買うが、パンツを買った人はコートを買わないということを意味する。
「仮説としては、コートは季節性の強い商品なので、コートを買おうというモチベーションを持っている、と考えることができます。ですから、ジャケットを探しているユーザーにパンツはレコメンドしますが、コートを探している人にはレコメンドをしません」(北村氏)
このように、ユーザーが次にどの商品を閲覧・購入する傾向にあるかを予測し、成果向上を日々行っている。なお、デクワスの分析アルゴリズムは日本と米国で特許が取得されており、サイジニアでしか実現できない技術。当然、アイレコでもこれらのアルゴリズムが適用され、レコメンドを強力に支えている。
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配信とレコメンド内容、2つの最適化が効果を引き出す
アイレコでは3つの広告表示アルゴリズムを、サイトに訪れるユーザーの行動履歴や離脱ページ、離脱タイミングに合わせて自動的に切り替え、パフォーマンスを最大化している。
1:全体レコメンデーション
閲覧数、購入数などを用いて、人気ランキングを表示。そのためどのユーザーにも同じものが表示される。
2:リアルタイムレコメンデーション
直近で閲覧・購買した商品や似ている商品をおすすめ。例えば水の購入時に、クリスタルガイザーを見たらウィルキンソンを出すという形で、同じような商品や前の商品をそのまま出す。
3:パーソナライズレコメンデーション
先ほどの同社「デクワス」のアルゴリズムを活用。一人一人のユーザーの行動履歴を解析し、一人一人の興味関心にあわせたおすすめ商品を表示する。
直近に見た商品だけを表示した方が効果は良いのではないか、と質問されることも多いという。しかし、北村氏は“直近閲覧商品も含めてユーザーが出会っていないけれど興味関心があると思われる商品”をレコメンドすることで、購入回数の増加や売り上げアップを実現できると指摘する。実際に、各アルゴリズムのCTRとCVRの実績は、パーソナライズドレコメンデーションが最も良い結果になっているという。
「アイレコはi-mobileで、どのユーザーに、いつ、どのバナーを、どの枠に配信するかという広告配信の運用・最適化がされます。加えてデクワスで、どの商品を出せば良いかレコメンデーションの最適化を図ります。これにより、成果を上げるお手伝いができるのです」(北村氏)
アイレコの強みと、効果を引き出すテクニックとは
続いて岡本氏が登壇し、クライアントの導入事例を紹介した。ある不動産賃貸業のクライアントは、スマホとPCでアイレコを導入している。目標CPA¥5,000を両デバイスとも下回ることに成功したという。また、アパレル系ECのクライアントでも、CPAが通常¥1,420だったものが¥640と半額以下になったという。このように、通常のリターゲティング広告に比べ、アイレコの効果が格段に高いことが証明されている。
なぜ高い効果を出すことができるのだろうか。広告配信について4つのポイントが備わっていると岡本氏は説明した。1つ目が効果を出すキャンペーン設計ができることだ。アイレコでは管理画面でキャンペーンを設計し、キャンペーンごとにリーセンシーを切り、細かく運用することができる。そのために、効果最大化が見込める。2つ目が配信メディアを全公開していることだ。各媒体の配信先や、媒体ごとのスポットまで全て開示している。そして、スポット単位での単価の調整ができる。
3つ目のポイントが柔軟な予算管理と時間管理が可能なことだ。1日の上限や1か月の予算等、希望の金額に応じた設定ができる。さらに、効果を最大化するための時間帯配信も柔軟に対応ができる。そして、豊富な事例に基づくサポートを受けることができる。効果の高い配信面や、最適な媒体がピックアップされるため、初動から最高のパフォーマンスを目指すことができる。
最後に、アイモバイルが実践している広告効果を引き出す3つのテクニックが紹介された。
1:CV面・CVシーンを把握しているか
コンバージョンが上がっている媒体の単価を上げて、効果の良い面の露出を高める。また、ユーザーの行動をもとにCVの高い配信タイミングの選定ができているかを考える。
2:媒体精査をおこなっているか
アイレコでは全媒体を公開しているが、それだけでは効果に直結しない。予め媒体効果の悪い媒体に関しては、フィルターを掛け露出を下げることで効率的な配信が可能となる。
3:システムと人の運用バランスはとれているか
システムと同じように人の運用も大切。アイレコでは目標CPAに合わせ自動最適化できる機能を使い、自動でCPCが調整されるようになっている。一方で、キャンペーン設定や媒体の精査を手動で行なうことでしっかりと効果を出すことができる。
「国内最大級のアドネットワークでWEB案件に強いアイモバイルと、業界唯一の高性能レコメンドエンジンによりユーザーに最適な広告を動的に生産するサイジニアのデクワス。このコラボだからこそ、アイレコは高い効果を出せると考えています」岡本氏はアイレコの強みを語り、セッションを終えた。
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