コンタクトルールを守りながら収益を最大化する
MZ:One to Oneマーケティングができる今、可能性があるすべてのオファーを展開するとフリークエンシーが高すぎて嫌がられてしまう。だから、効果が高く見込めるものから展開しよう、ということですか?
バーチ:そのとおりです。「Marketswitch Optimization」のUSPは、まさにそこにあります。顧客一人ひとりを分析して、その人に必要なものや企業のビジネスニーズに応じたオファーを提供することができます。単にひとつの事業のみを行っているのなら、一人の顧客へのアプローチは最大で月1回、などと決めて実行するのは難しくありません。ですが、複数事業・複数部門で共通の顧客をターゲットとしている場合、顧客にコンタクトしすぎてしまったり、矛盾したキャンペーンを送ってしまうリスクがあります。例えば銀行の場合、ローン部門、クレジット部門、口座関係の部門とたくさんの事業があり、一人の顧客に複数の担当者がアプローチすることが考えられます。
MZ:その場合、どんな分析が行われるのでしょうか?
バーチ:各部門は、自分たちの部門の中での売上を最大化したいですよね。仮に一人の顧客にひとつしかオファーできないとして、15人の顧客に3部門からアプローチをしたい場合、一般的なマーケティングキャンペーン分析だと、部門つまり事業の優先順位を決めて順番に分析していきます。オファーAで高い売上を見込める顧客を上から5人選び、残った10人のうち、今度はオファーBで高い売上を見込める顧客を上から5人選ぶ、といった形です。俗にいう、ウォーターフォール型の展開ですね。でも、最初の5人の中には、もしかしたらオファーBの方が高い売上見込みの人がいるかもしれない。すべての顧客とオファーの分析を一斉に行い、最適な組み合わせを見つけ、最大限の価値を企業にもたらす。これをバッチ処理ではもちろん、リアルタイムで同時に分析し、把握できるのが「Marketswitch Optimization」の特長です。
個人レベルでどのオファーが有効かを分析
MZ:いずれのキャンペーンも始める前に、すべてのオファーと見込みリターンを分析して、オファーと顧客の最適なマッチングを選ぶということですか?
バーチ:そうです。オールカスタマー、オールオファーをみるのが「最適化分析」の考え方です。(図2)ここではたった15人の顧客に3つのオファーをする場合を考えましたが、この場合でもウォーターフォール型のプライオリティ付けと「Marketswitch Optimization」を使った分析を比較すると、見込み売上が12.5%向上しました。これが100のオファー、100万人の顧客だったら、さらに大きな利益の改善が期待できます。通常のマーケティング活動のプロセスとして、顧客をセグメントし、リストを作り、それに対してアプローチします。でも「Marketswitch Optimization」は、個人レベルでどのオファーが効くのかという細かい部分での最適化ができるのです。さらに、この最適化プロセスには、予算やコンタクトルールといったマクロ的視点での条件を組み込むこともできます。
MZ:なるほど、考える方向が逆なんですね。
バーチ:ええ。誰にどのオファーを、どんなチャネルでどのタイミングで投げかけるのが最適かを導くには、顧客一人ひとりのニーズや嗜好も関係しますので、当然その部分もカバーします。また、利用方法もとてもシンプルです。企業ごとの制約条件、ゴールとKPI、顧客情報をインプットすると、数学的アルゴリズムによってさまざまな予測シナリオが提示されます。それぞれのシナリオは、売上量、売上高、収益、利益などの予測値を示すので、その内容を基に実際に実施するキャンペーン戦略を選び、バッチ処理またはリアルタイムで動かしていくことができます。「Marketswitch Optimization」がベストな結果を残せるようにコンサルティングと実践的なアドバイスを密に行っていきますので、導入企業の担当者の方が最適化ツールをきちんと使いこなせるようにサポートします。