Web上の仮想コミュニティからリアルイベントへ誘導するクロスメディア展開
最近のプロモーション事例の中からは、スナック菓子「カール」のキャンペーンを紹介した。このキャンペーンでは、Webサイト上に「カールおらが村」という仮想コミュニティを立ち上げ、そこに取り込んだ製品ファンの皆様をリアルのイベントへ誘導、製品プロモーションへつなげるといった手法を採った。「10~40代の男女という幅広いターゲットを取り込む上でも“クロスメディア”という点にこだわって、企画を展開していこうと考えた」(同堀江氏)。
そのプロモーション展開の好例が、2007年7月17日~12月20日まで展開された「アッコが歌うカールCMソングプレゼント」キャンペーンだ。これは長年親しまれてきた「それにつけてもおやつはカール」というCMソングのリニューアルに、人気歌手の和田アキ子さんを起用。さらにこの1曲のためだけに催されるリアルイベント「ドリームコンサート」へ、「カールおらが村」に登録した“村民”から500名、250組の方々を招待して、現場でのファンとのコミュニケーションやプレゼントなどの展開に結びつけた企画だ。
同時にもう一つのクロスメディア施策としては、フジテレビが夏休みにお台場で開催した「ザ・冒険王2007」への出店がある。これは現地に「カールおらが村」のブースを設置して、Webサイト上の「おらが村」をリアルに再現する企画で、オリジナル絵はがきが作れる「くまの郵便局」や射的を楽しんでカールを景品にもらえる「みんなの広場」などが、ちょうど夏休み時期で訪れた子どもたちを中心に大好評を呼んだ。この結果「おらが村」の村民数が倍増するなど、総合的プロモーションとして成功を収めることができ、今後はここで取り込んだファンをフォローしながら、2008年の「カール40周年」プロモーションへ向けてつなげていきたいとした。
SNSとのタイアップを通じたコミュニティ中心のプロモーションを探る
もう一つのプロモーション事例が、「イキなXYLISHキャンペーン」だ。これは2007年11月13日から2008年1月31日まで展開中のガムのプロモーション企画で、製品のブランドイメージである「オシャレ」、「POP」、「楽しい」といった要素の浸透を図り、新規顧客の獲得ならびに既存顧客のブランドロイヤリティ向上を図るのが狙い。20~30代男女をターゲットに、俳優の木村拓哉氏を起用した。
製品のイメージがポケットに入るガムということからケータイの「肌身離さず」という点にマッチしたカテゴリと考えて、これまでもケータイサイトを中心にしたプロモーションをいろいろ展開してきた。中でもコミュニティという点を意識して、過去にはmixiなどとタイアップを行ったが、今回はGREEとのタイアップを行い、公式プロフィールトップからキャンペーンサイトへの誘導を図るなどの試みた。
今後もこうしたキャンペーンでの実績を踏まえながら、クロスメディア施策のいっそうの強化を進めるとともに、将来的には3D仮想世界などへの展開も見据えて、いっそうのモバイルプロモーションの強化・充実を図っていきたいと考えている。