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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

統括編集長インタビュー

アウトストリーム型が“メインストリーム”へ Teads社がみる動画広告市場のトレンド

テキスト記事に動画広告枠を設けて在庫不足を解決

押久保:現在のTeadsの状況をうかがえますか?

パルコ:2011年に仏で創業したTeadsは、現在グローバルで26のオフィスと450人のスタッフを有しています。仏はエンジニアが中心ですが100人、米に100人、その他各国に数十人。日本オフィスは現在10人ですが、1年以内に最低でも倍には増やしたいと思っています。

押久保:なるほど。そもそもなぜ、Teadsはアウトストリーム型の動画広告に注目したのでしょうか?

パルコ:メディアの接触時間を一般的にみると、やはりプリントメディアやテレビからオンラインへのシフトが顕著です。ただ、昔からしっかりとしたフォーマットがあるテレビCMをオンラインに展開するには、在庫が少ないのが課題でした。

 Teadsが生まれる前に動画広告で主流だったのはインストリーム型のプレロール広告かポストロール広告でしたが、あるとき創業メンバーの一人が「通常のメディア記事の間に動画広告枠を設ければ、在庫の問題がなくなる」と気付いたのです。それが創業の発端でした。

 加えて、インストリーム型では一般ユーザーの投稿動画に付帯することも多く、プレミアムとは言いがたいので、Teadsではワシントンポストやガーディアンをはじめとするプレミアム媒体のネットワークを築きました。

動画広告が「しっかり視聴されたか」を把握する方法

押久保:たしかに、動画コンテンツありきのインストリーム型と比べて、在庫の問題は解決しますね。

パルコ:ただ、もうひとつ問題があり、それは「ほとんどの動画広告がしっかり視聴されていない」という現実でした。仮にPCでノンスキッパブルのプレロール広告が流れても、その間にスマートフォンやテレビなど他のデバイスに目を移していたら意味がありません。今も、販売されている動画広告全体のうち高い割合で、しっかり視聴されていないという調査が出ています(参考情報)。

押久保:それは動画広告全体で、ですか?

パルコ:ええ。ただ、そのほとんどが、ユーザーの意志とは関係なく流れてくるインストリーム型ではないかと思います。

 記事を読んでいるときに接触するインリード広告では、スクロールして記事に戻ってしまえば自動的に広告は止まりますし、Teadsでは枠を閉じることもできます。Teadsは完全視聴されて初めて広告主に課金する、100%ビューアブルの仕組みをとっているので、少なくとも我々のインリード広告では「販売が成立したのに視聴されていない」ことはないのです。

押久保:最後まで流れるにはユーザーに自発的に「見続けてもらう」必要がある、ということですね。その点も、広告主のニーズが高そうです。

パルコ:そうですね。グローバルではハイネケンやカルティエ、ナイキなど多くのブランド企業と長い付き合いがありますが、課金の仕組みも評価いただいています。

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ユーザー、広告主、媒体社の3つの視点でメリットを提供

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/01/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/23655

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