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第106号(2024年10月号)
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統括編集長インタビュー

アウトストリーム型が“メインストリーム”へ Teads社がみる動画広告市場のトレンド

 動画広告は、2016年にさらに市場の拡大が予想される領域のひとつだ。プレロール型が先行して浸透したが、現在ではテキスト記事の間に動画配信枠を設けるインリード広告をはじめとする、アウトストリーム型も注目を集めている。仏を本拠地にグローバルでインリード広告を扱うTeads社のCOO、クリストフ・パルコ氏がこのほど来日。日本法人を立ち上げて1年、氏は日本市場への期待とともに「アウトストリーム型の動画広告は『メインストリーム』になる」と語る。

プレミアムなインリード広告を扱うTeads社

押久保:日本では、昨年ようやく動画広告元年といえる年となりましたが、同時に具体的な課題も顕在化しました。企業の「プレミアムな場所に出稿したい」というニーズもそのひとつです。今回は、MarkeZineでも昨年に日本マイクロソフトやニューバランスの事例をご紹介した(参考記事)、プレミアムなインリード広告を扱うTeads社のCOOクリストフ・パルコさんにお話をうかがいます。まずはご経歴を教えていただけますか?

パルコ:仏のラガルデール、独のベルテルスマンとメディア企業を経て、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンにて国際ファイナンスを担当しました。2000年ごろに無料ネットプロバイダのジョイントベンチャーを立ち上げて同社へ移籍、IPOと複数の企業買収を経て売却してから、しばらくフリーでいたのです。

Teads COO クリストフ・パルコ氏
Teads COO クリストフ・パルコ氏

 その際、オーバーチュアの欧州責任者から連絡を受け、仏での事業展開には興味があると伝えたところ、仏の市場評価と事業のローンチに携わることになりました。スペインとイタリアでも事業を開始しつつ、会社自体はヤフーに移って、セールス責任者を務めていました。

押久保:いつごろTeadsを知ったのですか?

パルコ:2014年です。たいへん興味を持ち、私の経験が役立つだろうとアプローチして参画しました。新しい広告のフォーマットをつくる点は、サーチの市場を開拓したオーバーチュアのビジネスと非常に似通っていると思いました。

アウトストリーム型広告がシェア拡大、英では20%にも

押久保:サーチ市場の発展と、動画広告市場の昨今の発展が似ているという視点は興味深いです。

パルコ:市場の形成もそうですが、指標も似ていると思いますね。サーチはCPC、Teadsの動画広告はブランディング目的が中心なのでビューベースのCPVになります。それから、パブリッシャーの在庫が重要になります。関係性も大事ですね。

押久保:Teadsはプレミアムな媒体に特化したインリード広告を展開し、グローバルで業績を伸ばしています。インストリーム型が中心の動画広告市場で、アウトストリーム型は現在どのような状況でしょうか?

パルコ:もっとも大きい米国市場は、動画広告全体で8,000億~1兆円規模といわれています。仏では約620億円、日本では500億円程度なので、他国も合わせると全世界で2兆~2兆4,000億円くらいはあるでしょう(参考:Exchangewire Japan)。

 その中で、仏ではTeadsの本拠地であることもあり、アウトストリーム型として12~15%のシェアを占めています。米でも同等の割合になれば、1,200億円程度でしょうか。また、英ではアウトストリーム型の広告が全体の20%まで届いているというデータもあるので、アウトストリーム型広告は明らかにシェアを拡大しているといえます。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/01/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/23655

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