注目集めるアプリ、導入は「簡単・高品質・低コスト」の新時代へ
「今、アプリはユーザーの利用頻度や滞在時間において、ウェブを上回っているといわれています。そのため、ウェブサイトだけでは片手落ちで、アプリと両方やらなければと危機感を持っているマーケターが多いですね。リーチ手段にしても、ウェブでメルマガを発行するよりも、アプリでプッシュ通知をした方が、開封率が断然高い時代ですから」
このように語るのはファストメディア代表取締役の庵原保文氏。創業者はヤフーの同僚だったという佐野 将史氏と黒田 真澄氏。庵原氏は、ヤフーでのメディア系サービスの企画職から、シティバンクでのマーケティングマネージャーを経て同社を立ち上げた。取締役の佐野将史氏は、ヤフーではYahoo!ファイナンスのiOSアプリ等の開発に携わってきた。
ファストメディアが展開する「yappli」は、iOSとAndroidのアプリを一括で開発できるクラウド型サービスだ。従来の開発ベンダーに比べてコストが10分の1ほどで済むにも関わらず、プッシュ通知やクーポン発行、ECと連動させた商品購入、GPSを活用した店舗案内などの販促機能が充実している点に強みを持つ。
また、毎月続々とアップデートされる最新機能を自由に利用でき、OSアップデートに伴う調整も自動で反映されるサービスである点も注目されている。さらに、アプリ専用の管理画面から導入後の運用が初心者でも簡単にできるというところも大きな特長だ。マーケターは運用のためにIT担当部署や開発ベンダーとの煩雑なやり取りをしなくても、自らスピーディーに施策を打つことができる。
主にアパレルやプロダクト等のメーカーや小売企業のマーケターから、アプリ開発の問い合わせが増加しているという。アプリの開発・導入と言えば大きな予算を確保しベンダーに発注する必要があると思われがちだが、簡単に低コストで、しかも高品質なアプリを製作することは可能なのだ。
店舗もECもSNSもオムニチャネルに、アプリで一括管理!
ファストメディアが特に注力しているのが、あらゆる機能・顧客接点をアプリでシームレスに集約させることだ。同社ではこれを「オムニチャネル機能」として提供を開始している。
「所有感やプッシュ通知の開封率、利便性の高さなどの媒体特性を考えたときに、ウェブよりアプリの方が、圧倒的に訴求力が高いです。ですから、アプリで様々なことができる必要があります。例えばyappliなら、アプリからECサイトへの送客やクーポン発行だけでなく、オウンドメディアやSNSの表示などが可能です。また、今月オムニチャネルマーケティングを強化する機能としてポイント連携機能とセグメントプッシュ通知機能をリリースします。今まで紙で発行していたポイントカードをアプリに統合できるポイント連携、会員情報をもとにしたセグメントプッシュ通知でパーソナライズされた販促機能をより充実化していく予定です」(佐野氏)
では、具体的にyappliを活用してビジネスを向上させた事例にはどのようなものがあるのだろうか? 次のページで紹介したい。
アプリの効果をさらに詳しく学ぶ!資料&セミナー情報
現在、アプリ活用の事例をより詳しくまとめた資料を公開中です。また、無料セミナーの開催が予定されています。実践的な知識を得たい方は、ぜひこちらもご確認ください!
●資料『アプリを活用したマーケティング3つの効果』のDLはこちら
●セミナー【200事例から学ぶアプリの凄い効果】
日時:4月19日(火)14:00~15:30(13:30受付開始)
会場:東京都港区 赤坂2丁目14−5 DAIWA赤坂ビル1階
参加費:無料
定員:60名(先着順)
申込・詳細はこちらから
プッシュ通知開封率70%、月次売上200%アップetc. 数字が示す威力
クーポン利用率42%を達成した「THE NORTH FACE」
スマホのホーム画面から、ワンタップで全ての情報へアクセスする「タップ感」でのコミュニケーションを重要視している同ブランド。アプリ導入後はブランディングを意識しながらオウンドメディアとしても活用している。効果のほどは、店舗集客のためのクーポンを配布したところ、利用率は42%。1か月で実に2万人以上が利用した。購入前の最後の一押しにアプリを活用できると実感できているという。
プッシュ通知の開封率70%を記録した「OLIVE des OLIVE」
契約前にデモ版を体験して、導入を決めた同ブランド。アプリをダウンロードしたユーザーの45%が、実際に店頭でクーポンを利用しており、プッシュ通知の開封率は50~70%を記録している。2016年4月からは、会員情報と連動させたCRMとしてアプリでのマーケティング利用を活性化させる。
アプリ経由のCVRはウェブの2倍以上、ECモール「mix.tokyo」
2015年、ユーザーのアクセス端末がスマホ:PC=6:4の比率になった時点でアプリを導入した同サイト。アプリのダウンロード数は1万(※2015年7月時点)でありながら、アプリ経由でのEC売上が平均月1,000万円以上でCVRはウェブの2倍以上となっている。
「アプリをダウンロードするというハードルをくぐってきたユーザーは、それだけエンゲージが高い。そのため、利用人数だけで見るとアプリがウェブに負ける場合でも、一人あたりの購入単価やコンバージョンレートは、アプリの方が断然高くなります。顧客のLTVを高められることが、各企業がアプリをインストールさせたがる大きな理由でしょう」(庵原氏)
売上が毎週200%アップを遂げた「AZUL by moussy」
店舗とECの相互送客を課題に、アプリを取り入れた同ブランド。開封率40%以上というプッシュ通知を活用して、アプリ経由のEC売上が導入から数か月間、毎週200%ずつアップしていくという快挙を達成した。
また、Instagramを連携させたINSTA+という独自機能を活用することでInstagramでは不可能だったコーディネート写真から商品へのリンクを実現。利用者が気になったら、そのままECサイトへ移動できる点が非常に好評だという。
40代以上への効果を証明した「NEW YORKER」
アプリというと若い世代がターゲットだと思われがちだが、メインとなるユーザーが40~50代の同ブランドでも、プッシュ通知の開封率は50%以上という数字をはじき出している。会員のポイントの利用率や、オウンドメディア・ECサイトへの送客率も上がった。
今後はCRMツールとしての活用を強化し、来店頻度や利用店舗別にアプリ上でのアプローチを行うことで、さらに深い顧客接点の形成を目指すという。
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マーケターが頭を悩ませる「アプリ内での顧客育成」方法
「アプリはロイヤリティプログラムです」と庵原氏。これまでのマーケティングファネルでは、バナーや検索エンジン、SNSで新規ユーザーを獲得した後に、店舗やECサイトを利用してもらい、顧客育成(ナーチャリング)はポイントやスタンプカードで行ってきた。この育成チャネルがアプリに置き換わってきているため、アプリにおけるナーチャリングが必須なのだ。もちろん、ファストメディアではそのための運用支援を行っている。
「yappliは、操作自体はかなり簡単です。ドラッグアンドドロップするだけなので、プログラミングができなくても良い。しかし、一方で“アプリ内で何をすべきか・どのような機能をどのように配置すれば良いのか”といった企画構成については、どうすればいいかわからないとおっしゃるお客様も多いです。当社にはコンサルティングの部隊もおり、アプリ内だけでなく他チャネルへの送客を含めた設計の支援を行っています」(庵原氏)
アプリ内のデータは独自にカスタマイズされたGoogleアナリティクスによって提供され、クーポンを使った回数や、お問い合わせの回数、EC送客率等も、全てカウントして分析することができる。
「さらに当社には、ウェブサイトでは取得できないオフライン行動データなど、様々なデータが蓄積されています。それらを分析して、運用支援をすることも可能です」(佐野氏)
オフラインのデータも活用して、より確実な訴求へ
もう一つ、アプリ最大のメリットは、バックグラウンド通信があるため、オフラインでもデータを取得できることだ。
「去年はソフトバンクホークスの広いキャンプ地の様々な場所にiBeaconを設置し、その場所に来たユーザーにクーポンを発行するという施策を行いました。施策後にはイベント参加者の動線を分析したヒートマップも提供しました。ヒートマップを見て、次の施策に動線設計を生かすことができるので、イベントプロモーションでも多くご利用いただいています」(庵原氏)
「今後は、オフラインの情報をオンラインに生かす取り組みが活発化されていくことが予測されます。iBeaconを設置しておけば、店舗に行ったけど買わなかった人、この商品のところに長時間いたけど迷って買わなかった人、という判断も可能なので、そこから顧客に適したコミュニケーションを展開できるような機能をリリースしていく予定です」(佐野氏)。
オムニチャネルにセグメントプッシュ、より強固な訴求体制へ
最後に、今後のyappliの展望について訪ねると両氏は次のように語る。
「今年はまず、ポイントをフックにしたオムニチャネルにフォーカスしたいですね。我々が開発したポイント連動のプラットフォームなら、従来のコストの約10分の1でアプリに導入できます。アプリに一回ログインすれば、ポイントも反映されるしECサイトでのログインまでシームレスにつながるので、チャネルを区別することなくアプリからワンストップで情報配信できます。また、セグメントプッシュにも注力していきます。オフラインとオンラインを融合したプッシュ通知を近日リリースするので、皆様に活用していただければと思います」(庵原氏)
「yappliには様々な機能が用意されていますが、それらのパーツを一部だけほしいというお客様もいらっしゃいます。そういった提供も今後は行っていきたいですね。また、個人的に注目しているのがアプリ内チャット。商品について聞きたいことを、お問い合わせフォームではなくチャットでさっと質問が可能になります。実現すればアパレルや不動産など様々な業界で横展開できると考えています。これは早めに手をつけたいですね」(佐野氏)
顧客の行動にスマートフォンが必須となった今。アプリを手軽に導入し運用するプラットフォームが既に整い、数値的な成果を出す企業も現れている。生活者に選ばれ成長を続ける企業になれるか、デジタルシフトの波に乗り切れずに終わるのか。企業にとっては大きな分かれ道が来ているのかもしれない。
アプリの効果をさらに詳しく学ぶ!資料&セミナー情報
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