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誰でも機械学習を使える時代へ「Azure Machine Learning」の真価に迫る

2016/05/13 10:00

「Azure Machine Learning」は機械学習を民主化する

 では、Azure MLにはどういった特徴があるのだろうか。相澤氏によれば、「Azure MLの特徴は、使いやすさにある」という。Azure MLは月々数千円から利用でき、申込後数分で使い始めることができる。また、Webブラウザ上で学習データや分析手法をドラッグ&ドロップするだけで、機械学習のモデル作成が可能なため、コーディングができないマーケターでも、統計の基礎的な知識さえ得てしまえば十分に利用できるという。

 更に、作成した分析モデルはWeb上に簡単に公開できるため、他のシステムやサービスとの機能連携もスムーズに行える。例えば、既存のECサイトにレコメンド機能を実装することも、Azure MLであれば比較的容易にできる。

Azure Machine Learningのサービス画面

 「一般的なAIのしくみを動かすには、多額の費用と莫大な工数のシステムインテグレーションが必要になりますが、私たちの機械学習はデータさえ揃えてもらえればいい」と相澤氏は語り、Azureの優位性を強調した。

 また、相澤氏は「Azure MLによって、今後は1人のスペシャリストが価値を出すよりも、一定の付加価値を出せる複数の担当者が組織的に動くことで、継続的に高い価値を出せるようになると考えています。量が質を凌駕する社会になってくる」と予想。

 同社のパートナーマーケティングを担当する田中氏も「Azure MLを初めて使った時、こんなに簡単に機械学習モデルが作れるのかと自社製品ながら驚きました。これには、初めて機械学習を触る人向けに、サンプルやチュートリアルを充実させたという理由があります。機械学習における技術・知見・コストの障壁をAzure MLが大幅に下げることで、機械学習の民主化が進むのではと感じています」と展望を示した。

マクドナルドと「りんな」、「Pepper」に採用される機械学習

 ここで、実際にAzure MLを活用した事例を2つ紹介したい。1つ目に紹介する事例は、北欧のマクドナルドで行われたモバイルアプリケーションのキャンペーンだ。同社がマスマーケティングからOne to Oneマーケティングにシフトしていく中で、北欧やイギリスで数百万人に対してモバイルアプリケーションを配布。ひとりひとりに「My McDonald’s ID」を発行した。

 アプリの中には多種のクーポンが提供されており、キャンペーンに対する反応やクーポンの利用状況、購買情報といったデータが大量に集積された。そして、集まったデータをもとにAzure MLでレコメンデーションを行い、来店頻度の向上とアップセルを狙った。その結果、キャンペーンの参加率が従来の7倍に向上すると同時に、一人当たりの購入単価が47%上昇するという非常に大きな結果をもたらした。

 もう1つは、日本マイクロソフト自身が、LINEの企業向けに提供しているAPI「LINE ビジネスコネクト」と検索エンジン「Bing」のディープラーニング技術、そしてAzure MLを組み合わせ開発した女子高生人工知能「りんな」の事例だ。

 「りんな」はリリースから4ヶ月で、すでに185万人のユーザーを獲得。「“りんな”の凄いところは、会話を通じてコミュニケーションの精度を上げていく学習能力にあると思います。今後マーケティング領域でも、顧客とのエンゲージメント向上を目的とした活用を狙っている」と相澤氏は話す。

 また、Azure MLとソフトバンクの人型ロボット「Pepper」を組み合わせ、店頭での接客を可能にするソリューション開発も現在行われている。このソリューションによって、Pepperはあらかじめ接客スキルを備えた接客員として店頭に配置されるようになり、また店頭での顧客行動やPOS売上などのデータを解析し、商品のレコメンドまでもPepperが行ってくれるという。

 また将来的には日本語以外の多言語対応や、顧客の顔や音声を認識することでリピーターへのきめ細やかな接客なども実現可能になると同社では見込んでいる。ロボットが顧客を接客するという、まるで近未来のような話の背後にはAzure MLが大きな役割を担っているのだ。

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