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統括編集長インタビュー

高まる広告主のニーズ、PMPの発展は? デジタル広告のブランディング活用を探る

 動画広告の視聴環境が整うとともに、動画広告のブランディング活用のニーズが高まっている。出稿メディアの質などを絞り込んだ、プライベートマーケットプレイス(PMP)が注目されているのも、その流れの一環だろう。この新たな潮流について、近年精力的にコンテンツとテクノロジーの両面で事業を拡大しているAOLプラットフォームズ・ジャパンの花崎茂晴代表取締役社長に取材。氏は「ブランド広告主のニーズに応えるPMPは市場拡大に寄与する一方、リザーブドの広告を補う意味も担っている」と語る。

「CULTURE」と「CODE」の2軸でM&Aを重ねる

AOLプラットフォームズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 花崎茂晴氏(写真右)Chief Operating Officer 坂下洋孝氏(写真左)
AOLプラットフォームズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 花崎茂晴氏(写真右)
Chief Operating Officer 坂下洋孝氏(写真左)

押久保:花崎さんが率いるAOLプラットフォームズ・ジャパンは、昨年1月に社名変更を経て発足した形ですが、米AOLと三井物産の共同出資による日本法人、アドバタイジングドットコム・ジャパンとして10年近くアドネットワーク事業を展開してこられました。

 今回は、近年のデジタル広告の潮流を踏まえて、最近特に目立っているネット広告のブランディング活用などについてうかがいます。まずは、御社の展開の中で、特に大きな動きを教えていただけますか?

花崎:昨年、大きな動きが3つありました。ひとつは、今ご説明いただいた、親会社のAOLの名称を冠した社名への変更。2つ目は、米AOL自体が米最大手の携帯キャリアであるベライゾン・コミュニケーションズの傘下になったこと。

 そして、米AOLとマイクロソフトがグローバルパートナーシップを結んだことで、日本でも当社が日本マイクロソフトの有するプレミアム広告の在庫を取り扱うようになったことです。MSN上の広告をはじめ、Skypeやアプリ内広告などですね。

押久保:日本では、本国ほどは米AOL自体の動きが知られていないと思いますが、近年相当の勢いでM&Aを重ねていますよね。どういった軸によるものでしょうか?

花崎:AOLでは、大きく「CULTURE」と「CODE」という軸を掲げています。この両軸があることが、同時に他社への差別化にもなっています。

米ベライゾンがAOLを統合した目的

花崎:たとえばCULTUREの軸で大きかったのは、2011年のハフィントンポストの買収です。それからテッククランチやエンガジェット、またAOL自体もポータルとしてメディア事業を長く続けています。

 CODEの軸でも動きが激しく、DSPサービスのAOPやSSPサービスのMARKETPLACE、それから2013年のAdap.TV (現:ONE by AOL: Video)は大きな買収でした。さらに、今後まさに伸びていくマルチタッチアトリビューション(以下、MTA)分析では、フォレスターのレポートでトップになっているConvertro(コンバートロ)を傘下にしたことが効いています。

押久保:その上で、AOL自体がベライゾンの傘下になり、マイクロソフトと提携されたと。

花崎:そうですね。日本を含む9カ国のマイクロソフトのデジタル広告在庫を、独占的に10年契約で扱うことになっています。その発表後に、米最大手のモバイルアドプラットフォーマーであるミレニアルメディアを買収しました。日本ではそこまで話題になっていませんが、これも大きな動きです。

押久保:これらの統合を通して、どういった状況を目指しているのでしょうか?

花崎:目指しているのは、コンテンツ、ディストリビューション、そしてマネタイズの好循環の実現です。AOL自体がこうした考えで各社の買収を重ねてきましたし、ベライゾンがAOLを傘下に置いたのは、特にマネタイズの強化が大きな理由だと捉えています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

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高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24455

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