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MarkeZine Day 2016 Autumn レポート(AD)

FIVEが語る、希少なアテンションをめぐるモバイル動画マーケティング戦略

「外さない」スマホ動画クリエイティブに必要な4要素

 では、クリエイティブに必要な4要素とは何か。菅野氏は「ユーザーの視点に立って“外さない”ためのポイント」として以下の各要素の説明を行った。

 まず、一目でユーザーにメッセージが伝わる「In One Glance」。FIVEが分析したデータでは、およそ2秒で全体のうち50%の離脱が起こるため、最初の2秒でどれだけ興味をひき、指を止めてもらうことができるかが重要になる。次に必要なことは、メッセージを明確にする「Clarity」だ。スマホで動画を視聴する場合、音声をミュート状態にして視聴するユーザーも多い。ミュートで理解できる字幕を入れて訴求内容を明確に伝える必要がある。また冒頭で離脱するユーザーが存在することを前提に、ブランドやプロダクトを最初に表示することも重要だ。FIVEではクリエイティブチームがこうした最適化も無償サポートしているという。

 さらに忘れてはならない要素がある。それは「Personal」、コミュニティにとってブランドメッセージが関係あると感じてもらうことだ。簡便な方法ではコミュニティ向けにテロップを変化させたり、呼びかけを加えたりする。最近では人気なインフルエンサーの起用や、コミュニティでの流行をクリエイティブや企画そのものに反映させる事例も出てきているという。そして最後に、行動を促す「Call to Action」を入れること。たとえば動画のエンドカードに「◯◯で検索」「詳細はこちら」「投稿しよう」といった期待する行動をきちんと盛り込むと、アクション数は有意に多くなる傾向にあるという。

 逆にいうと、「うまくいかないクリエイティブのパターン」は、これら4つのポイントを外すこと。菅野氏は、失敗パターンとして以下を挙げた。

リアルタイムのデータ検証でモバイルマーケティングを強化

 続いて壇上には、実際にFIVEのプラットフォームを通じて動画広告を出稿している、SMBCコンシューマーファイナンスの金融事業部にて副部長を務める堀内武志氏が登場した。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 金融事業部 副部長 堀内武志氏

 カードローン事業「プロミス」を営むSMBCコンシューマーファイナンスは、そのサービスの特性上、ニーズが顕在化しにくいという特徴がある。つまりユーザーは突然の必要性に迫られて初めて、「どこのカードローンに申し込むべきか」を考えてサービスを選択するわけだ。

 ところが市場調査の結果で、モバイルでの申込が増加しているにも関わらず、モバイルユーザーの中で、ターゲット層に対するブランド認知が想定していたよりも低いことが判明したという。そこで、これまでのテレビCMや電車広告、アフィリエイト広告と異なる戦略が求められた。

 実は同社を初めて利用するエントリー顧客は20代・30代の若者が中心で、全顧客の半数以上を占める。そこで広告の主戦場としてWebに重点を置き、動画広告を展開した。効果測定に関しては、YouTubeのTrue Viewによる視聴完了率や検索回数への影響などを用いて行っていたが、「施策が認知度向上や新規顧客獲得へどの程度貢献しているかは、なかなかわかりませんでした」と堀内氏は語る。

 そこで堀内氏が選んだのは、ターゲットとなる20代・30代に強いメディアを配信ネットワークとして持つFIVEだった。リーチに関しても、「スマホシフトが完了している20代・30代のエントリー層に対しては、テレビCMと同規模以上のリーチとブランドインパクトが見込める。また、FIVEが提供する態度変容調査を活用することで競合比較も定点的に何度も実施でき、今回の施策によって想起率や潜在顧客がどう増えたのかなど、ポジショニングの変化もわかる」と堀内氏は考えたという。

 クリエイティブに関しては、菅野氏が提言する「In One Glance」「Clarity」「Personal」「Call to Action」を意識した。テレビCMを素材に、冒頭にブランドロゴを入れるなど訴求内容ごとに作り分けて表示し、字幕をいれてミュート状態での再生にも対応。動画の最後には、アクションを促すエンドカードも複数テストしながら配置して、モバイル最適化を行った。そして広告配信期間中に競合比較の態度変容調査の結果を分析し、その結果を受けてリアルタイムにクリエイティブや配信方法のチューニングを行っている。

 「これまでは施策後のデータをもっときめ細かくスピーディーに活用することを課題として認識していたものの、なかなか実現できていませんでした。それが今回の取り組みによって、キャンペーン実施中のデータを迅速に検証するというサイクルが確立すると思います。今後はその結果を踏まえてさらに効果を最大化する施策を立てるよう、モバイルマーケティングを強化したいと考えています」と堀内氏は語り、講演を締めくくった。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/27 08:00 https://markezine.jp/article/detail/25327

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