欧米では盛んに進められている、スポーツ業界のデジタルマーケティング。日本では野球やサッカーのようなメジャースポーツですら、十分に行われているとは言えないのが現状だ。今回は元プロバスケットボール選手で、現在はWebコンサルティング会社であるプラスクラス代表取締役の平地氏にインタビュー。スポーツ×デジタルマーケティングについて語っていただいた。
そもそもの目的は、プロ選手のセカンドキャリア支援事業
――まずは、平地さんがデジタルマーケティングに関わることになった経緯をお聞かせください。
28歳まで、バスケットボール(以下、バスケ)の選手をやっていました。引退後、将来的にプロスポーツ選手のセカンドキャリアを支援するビジネスを立ち上げたいと思い人材業界に入ったのですが、そこで学んだ人材業界の状況を見ると、プロスポーツ選手のセカンドキャリア支援を人材業界側から行うのは難しいと感じました。
その理由は、プロスポーツ選手側にあります。体育会系の人材を欲しがる企業は多いですが、元プロは使いづらいんです。プロになれるような人間は周囲からちやほやされてきて、なおかつ年功序列の世界にいたわけです。そんな人間が、たとえば30歳で引退して企業に勤め出すと、自分より年下の先輩社員に「パソコンも触れないの?」「Excelの数式は?」と言われてしまうわけです。プライドを捨てられればビジネスマンになれると思いますが、なかなかそれも難しい。
ご多分に漏れず私もそうで、非常に苦しみました。もちろん採用する企業側に「教育支援をしてあげてくれ」とは思います。ただし私も経営者として、教育支援をしてまで元プロスポーツ選手を採用するよりも、体育会系出身の若手か新卒を採用することになるかな、とも思うんです。
このように、セカンドキャリア支援事業を自力で立ち上げて成功するイメージが湧かなかったため、社内ベンチャーとしてやらせてもらえそうな会社に、企画を持ち込みました。その会社のメイン事業が、SEOだったんです。企画への熱意と恐らく私のバイタリティを評価していただき入社したものの、私は当時Webのことを全く知らなかったため、まずはメイン事業であるSEOを中心としたデジタルマーケティング関連の仕事を任されました。
本当にやりたい事業をやれる可能性があるので飛び込んだだけで、デジタルマーケティングに興味があったというよりは、会社の資金が目当てでした(笑)。でも性に合っていたんでしょうね、そのまま現在でもデジタルマーケティングに関わり続けています。
目指したのは「体育会系の組織」
――その後、独立なさったんですね。
そうですね。3年半ほど働いたころ、そろそろ本来やりたかったことに戻り挑戦しても良いのではないか、という話になりました。ただ、私が作りたかったのは体育会系の組織で、採用したい人材もそれに準ずる形でした。チームスポーツを続けてきたので、その楽しさを組織にも取り込みたかったんです。この考え方が、当時の社内の雰囲気に合っていませんでした。社長に私の作りたい組織について「社内で浮きませんか?」と尋ねたところ、即答で「浮くね」と(笑)。そこから営業を開始し、資金を集めて独立することになりました。
――セカンドキャリア支援事業として独立を?
まず立ち上げたのは、SEOを中心にWebコンサルティングを行うプラスクラスという会社です。SEO、広告、制作、解析を一気通貫で行い、映像制作や写真撮影も可能です。
本来行いたいセカンドキャリアの支援をいきなり行うのは難しいので、まずはスポーツ業界で我々のプレゼンスをあげることにしました。プラスクラスで培ってきたノウハウや人材を転換し、スポーツチーム、メーカー、リーグ、メディア、スポンサーをしているクライアントをターゲットに、スポーツ業界にあったデジタルマーケティングを提供しようと。そうやって会社規模を拡大し、その通過点の中でセカンドキャリア支援事業を行うことを目標としています。そのために、スポーツ事業を行うプラスクラス・スポーツ・インキュベーションを立ち上げました。
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押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)
メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長
立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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