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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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定期誌『MarkeZine』特集

なぜセールスフォース・ドットコムは成長を続けられるのか

戦略的BtoBマーケティングを実現する「ミッション」と「KPI」

――最近、日本でもインサイドセールスを有する企業は増えているようですが、セールスイネーブルメントについては初めて伺いました。では体制の中で、それぞれの部門がどのような役割、KPIを持っているのかを教えてください。

図表2 戦略的BtoBマーケティングを実現する体制
図表2:戦略的BtoBマーケティングを実現する体制

田中:まず私は、マーケティング本部でイベントとキャンペーン、それにマーケティングオペレーションを担当している部門にいます。具体的には、目的に応じて、弊社で開催する大規模なプライベートイベントから小規模なセミナーまでの主催、展示会など第三者イベントの出展をしたり、キャンペーンの企画、実行、成果をダッシュボードでトラッキングしたり、イベントで獲得したリードを分析したりと、3つのファンクションを行っています。

 こうして数値を見ながら、最終的に獲得すべき潜在顧客の目標数値を達成するには、「過去の実績から見た獲得率を参考に、どれくらいのリードを目指す必要があるか?」と1ヵ月、3ヵ月、半年、年間ごとに戦略の策定とプログラムの実行をしています。

――そこで得た潜在顧客のリードを見込み顧客に育成するのがインサイドセールスですね。

今村:はい、インサイドセールス部門は、マーケティングと営業の間に位置付けられていて、役割としては2つあります。ひとつは「SDR( Sales Development Representative)」と呼ばれる役割で、セミナーや展示会の来場者、またはWebから問い合わせをいただいた方に電話をして課題やニーズをヒアリングするインバウンド業務です。

 もう一つは「BDR(Business Development Representative)」という役割で、これまで接点のない大手のお客様に向け、新規開拓型のチームでアウトバウンドの営業業務を進めるというミッションがあります。以上が大きな役割ですが、この部隊のオペレーション、スムーズな業務の遂行を支える「情報戦略室」があります。

――具体的にどのような指標をもっているのでしょうか。

今村:いろいろありますが、最も大きなもので言えば、実際に営業部門に渡す案件数、商談金額、そして、それらが受注に至った金額ですね。マーケティングが集めたリードを質の高い案件として営業にバトンタッチすることが、インサイドセールスの役割です。

「営業パフォーマンス向上」をどのように測るのか

――では、セールスイネーブルメントについて教えてください。

山下:なかなか聞き慣れない部門だと思いますが、日本語にあえて訳すと「営業人材開発部」でしょうか。営業組織に特化した、生産性を上げるための部門ということで、インサイドセールス部隊と外勤の営業部門、つまり営業においてフロントで活動する営業部隊を支援することが、大きな意味で我々のミッションです。

 マーケティング観点で言えば、マーケティングから発信される新機能や施策について、営業の“How to Sell”の観点から必要なツールやトレーニングを行う「プロダクトイネーブルメント」という機能があります。製品のAdvantageを営業視点で「提案力」に変換する支援です。セールスイネーブルメントは他にも中途入社社員や営業マネージャーなど営業に関わる部門全般へのトレーニングを行っています。

――以前からセールスイネーブルメントという部門を設けていたのでしょうか。

山下:はい、以前からありますが、徐々に大きくなってきました。

――マーケティングやインサイドセールスは、売上からブレイクダウンしてKPIを設定しやすいと思いますが、セールスイネーブルメントはどのようなKPIを持っているのでしょうか。

山下:様々な指標に着目していますが、営業の売上目標の達成率に対する「中央値」を重視しています。営業の達成率を上から順に並べていき、その中央値が向上したかどうかを見ています。達成率の平均を取ると偏りが出ますが、中央にいる真ん中の方の達成率を見て、昨年より上がっていれば、つまり組織全体が底上げされていると見ることができます。なので、我々もマーケティングやインサイドセールスと同じく、営業を見ているわけですね。また、営業の方の達成率を見ていくと、営業したプロダクトに偏りがあることがわかったり、様々なことが見えてきます。こうしてデータを見て、底上げすべきターゲットの方を決め、セールスイネーブルメントの戦略を策定し、仮説検証しながら進めていきます。

山下:様々な指標に着目していますが、営業の売上目標の達成率に対する「中央値」を重視しています。営業の達成率を上から順に並べていき、その中央値が向上したかどうかを見ています。達成率の平均を取ると偏りが出ますが、中央にいる真ん中の方の達成率を見て、昨年より上がっていれば、つまり組織全体が底上げされていると見ることができます。なので、我々もマーケティングやインサイドセールスと同じく、営業を見ているわけですね。

また、営業の方の達成率を見ていくと、営業したプロダクトに偏りがあることがわかったり、様々なことが見えてきます。こうしてデータを見て、底上げすべきターゲットの方を決め、セールスイネーブルメントの戦略を策定し、仮説検証しながら進めていきます。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:41 https://markezine.jp/article/detail/27109

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