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MarkeZine Day 2017 Autumn

「結果を出す」ことにフォーカス!三井住友カードが実践する、コンテンツマーケティング成功の4ステップ


「失敗する3つのパターン」を回避する方法

 この4ステップの中でも最も重要なのが1ステップ目の、「定量データ」にこだわったコンテンツサイトを作り、結果を出すという点。定量データから入ることで、先述した失敗の3パターンを回避することができる。

「失敗する3つのパターン」の解決方法

(1)やってみたが失敗⇔「定量データ」から入ると意味のある、儲かるコンテンツになる

(2)決裁すらしてもらえない⇔定量データから入ると効果試算がしやすい

(3)リソースがなく余裕がない⇔ピンポイントで手を付けることで、限られたリソースで、確実に結果を出す

 「このフェーズが成功を左右します。コンテンツマーケティングは、ブランドの認知度アップなどに視点がいきがちですが、“売上につながるマーケティング施策”だと定義づけて、社内に周知して意思統一を図ることがポイント。お客さんに見てもらえて、決裁もしてもらいやすく、少ない予算と少ないリソースで結果が出せる。初めはとにかく短期的な結果を出すことに集中すべきです」(福田氏)

講演資料より

 そうして2015年8月に作成されたサイトが、「ゼロからはじめるクレジットカード」だ。

「ゼロからはじめるクレジットカード」

 「当初制作にかけた費用は200万円ほど。最初の頃は我慢の時期もありましたが、徐々に効果が上がってきて、約8ヵ月でサイトから申し込みいただいたカード会員獲得数が200件ほどに。CPAはどのオンライン施策よりも低価格と、少ない予算である程度の結果を出すことに成功しました」(福田氏)

 また、コンテンツサイト制作にあたって、「コンセプトメイキング」「記事選定」「記事作成」「ページ制作」におけるポイントを提示。「SEOで重要なキーワードをサイトタイトルにする」「フロー型ではなく、ストック型の記事に終始できるテーマにする」といったコンセプトメイキングのポイントや、「スピード」「クオリティ」「ユーザー視点」に基づいた記事作成のヒントが共有された。

講演資料より

社内の協力を獲得し、プロモーション費用が増加

 1ステップ後、活用の幅が少し広がってきた段階で、2ステップ目として、社内の色々なページから導線を設置する。さらに、1ステップ目で結果を出してきたことで予算を得られるようになってくるため、構築したコンテンツサイトのPDCA改善を行っていくという。

講演資料より

 「PDCA改善をしていく上で、『申し込み導線を増やしたらCVRが下がった』『カテゴリートップページはかなり読まれるので、きちんと作り込むことで回遊性・CVRアップ』『記事の「読了目安時間」を入れたらCVRが下がった』というような傾向も新たに見えてきました。滞在時間、直帰率を気にしがちかと思いますが、CVRとの関連性は低いので、PVやコンバージョン貢献数を重視すべきだと思います」(福田氏)

 2ステップ目が完了した時点で、カード会員獲得数は500件以上に伸長、CPAをさらに低単価にすることに成功。次に3ステップ目としてアウトバウンドへの活用を開始していく。

 「この段階に入ってから外部への露出を開始し、顧客や顕在層へのアプローチを行っていきました。すぐにプロモーションに使わなかった理由は、“プロモーションで失敗するとコンテンツの評価が下がる可能性があり、他部からの協力が得にくくなり推進が止まってしまう恐れがあること”、“担当は結果が出るのかどうかわからないコンテンツを積極的に使おうとは思わない”というようなことからです」(福田氏)

 プロモーションに主に活用するのは「メール」と「SNS」。これまでに制作してきた読み物コンテンツをフックにすることにより、想像以上のリーチとクリックが得られたと福田氏は言う。

 「今までのメール配信では、いきなり商品ページに寄せていたのですが、『ログイン済みかつ読み物にきたユーザーをターゲティング』『法人利用が多い個人カードユーザーを抽出』して、メールから読み物コンテンツへ誘導したところ、効果が数倍に上がりました。Facebookでの配信でも、普段キャンペーン情報などを主に載せているのですが、読み物コンテンツを載せることでリーチ率2倍、エンゲージメント率が3倍ほどに上がり、読み物コンテンツは外部露出しても良い結果が出ることがわかりました」(福田氏)

【申込み受付中】MarkeZine Dayに登壇してみませんか

2018年3月8日(木)から9日(金)にかけて開催される「MarkeZine Day 2018 Spring」に登壇してみませんか。日々業務に打ち込む中で生じた問題意識や業界への提言を、マーケターのコミュニティに向けて発信しましょう。会社の枠を超えて発言することで、思いがけないフィードバックや発見が得られるかもしれません。募集の詳細はこちらでチェック!

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/16 09:46 https://markezine.jp/article/detail/27263

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