デマンドセンター、ABMによる案件創出
続いて、富士通の組織体制について語られた。同社では2017年から、デジタルマーケティングの実践から案件化するまでをデマンドセンターという機能を立ち上げてきた。2018年からは、海外でも各国に組織体制を作り、グローバルで案件創出できる仕組みを構築していく。

「フォロー活動の中心にあるフォローコールでは、日常のコールに加えて、リード獲得、パイプライン化するための個別コールを、実施してもらっています。これによって、営業へ引き渡すリードのレベルが高まってきました。営業から評価されるようになれば、良いサイクルを築いていけるでしょう」(狩野氏)
現状、コールをはじめとした様々な活動を行う際、必ず営業に事前確認をしているが、今後同社は少しずつマーケティングがイニシアチブを取って顧客を育てていきたいという。
また、デマンドセンターでは、ABM(アカウントベースドマーケティング)でのアプローチも実施。重点顧客となる企業ごとにシナリオを作り、必要に応じて、その企業に向けたワークショップを開催するなど、パーソナライズした施策を開始している。
さらには、商談クロージングまでを営業と協力し、業種顧客群向けのアプローチも進めているところだという。
富士通3つのチャレンジポイント3:「グローバル」
チャレンジポイントの最後の一つとなる「グローバル」では、これまで日本と海外で区分分けされていた同社のマーケティング活動を、全世界で同時展開し、得られるノウハウを共有していこうと考えている。
具体的には、プロモーションのテーマをグローバルで統一し、コンテンツも日本語だけでなく英語でも配信。5つの地域間でプロセス、コンテンツ、システム共通化と、同一のKPIによる効果測定を進め、一貫した活動を実施する。先述のワークショップスタジオ、デマンドセンターのさらなる海外展開も検討しているとのことだ。
セッションの最後、狩野氏は、「最適なコンテンツを最適なタイミングで、最適なチャネルを通じて」という言葉を強調した。そして、その理由を以下のように語り、講演を締めくくった。
「あまり考えすぎずにこれを実践していくことが、デジタルマーケティングの大きなコツだと思っています。とにかく、自分たちは特殊だと考え込んでしまいがちですが、まずは素直にこれを実践していくことが重要だと思っています」(狩野氏)