コンバージョンパスから生活者行動の把握と広告効果を可視化する
1回目の記事で解説しましたが、デジタル広告手法およびコミュニケーション環境が複雑化する中では、それぞれの広告のメッセージを点としてとらえるのではなく、点と点を結んだ線で捉えることが大切です。
生活者がどのタイミングで訪問し、どの流入元から行動しコンバージョンに至ったのか。コンバージョンパス(経路)を分析し、どこに貢献度が高いか判断し施策改善につなげるためにも生活者行動を把握することが必要です。
たとえば、生活者が広告に接触しバナーを見たのであれば企業のブランド認知に何かしらの影響を与えることができたと評価できます。
また、広告に接触したことが集客後の購入の後押しにつながっていたのであれば、単純に広告のラストクリックによる直接効果だけで評価するのではなく、生活者が具体的なアクションに結びつくきっかけになった広告の間接効果を把握しなければなりません。
デジタルでの広告の直接効果と間接効果を把握するためには、生活者行動やコンバージョンまでの行動パターンを把握が必要です。現場のマーケターや広告運用担当者が広告効果を把握する上で基本となる2つのポイントについて解説します。
1.コンバージョンパスから広告の直接効果と間接効果を把握する
広告をクリックした人の中から、コンバージョンまで至る人がどれだけ増加したかラストクリック視点で見た場合に、ユーザーの認知や興味喚起に関して評価することができます。
しかし、コンバージョン数やラストクリックだけの情報で広告の効果を判断し評価するのは、不適切で広告コストの増大を招く可能性もあります。
ビジネスを中長期的な視点で見た場合に、広告を見たユーザーがその場で広告をクリックせず、後日別の日に広告を踏んでコンバージョンする場合もあります。
広告のビュースルーも含めて、カスタマージャーニーの観点でユーザー動線を把握することで、ユーザーのモチベーションをどのように育て心理変容を起こすのか、改善を図ることが不可欠です。
ビュースルー効果を可視化することでユーザーのオーディエンス属性とセグメントを作成し、より実際のユーザー行動を考慮し評価項目を設定していきましょう。
2.広告効果と広告貢献度の把握
広告貢献度の把握する方法は大きくわけて2つあります。1つはWeb解析ツールや広告効果測定ツールを活用しクリックした広告の貢献度を割り振るクリックスルーでの評価。もう1つは、広告のインプレションの情報も加味しビュースルーも含めた評価。

また、事前に取得できるデータとツールの仕様などにより、広告貢献度の把握や評価方法が異なるので注意しましょう。
たとえば、認知ブランディングを重視するのであれば、第三者配信アドサーバー(3PAS:3rd Party Ad Serving)を活用し広告の貢献度をタッチポイント毎に割り当て、インプレッションデータを含んだコンバージョンパスと複数の広告媒体をまたいだリーチやフリークエンシー設定の状況などのユーザーの行動動線と貢献度を評価することが可能です。
