※本記事は、2018年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』27号に掲載したものです。
全国の工場と顧客を結び適正価格を実現
ライフスタイルアクセント株式会社 代表取締役
ファクトリエ代表 山田 敏夫(やまだ・としお)氏
1982年熊本県生まれ。大学在学中、フランスへ留学しグッチ・パリ店に勤務。卒業後、ソフトバンク・ヒューマンキャピタルへ入社。2010年に東京ガールズコレクションの公式通販サイトを運営するファッションウォーカー(現:ファッション・コ・ラボ)へ転職し、社長直轄の事業開発部にて、最先端のファッションビジネスを経験。2012年、ライフスタイルアクセントを設立。年間訪れるモノづくりの現場は100を超える。
――今回は、Factelier(以下、ファクトリエ)の銀座店にお邪魔して取材をしています。といっても、レジがあるわけでもないですし、店舗というよりショールームという感じですね。
レジはないんですよ。というのは、現金を扱っていないんです。ここで実物を見て気に入っていただいたら、タブレット端末からECで決済していただいているので。
――えっ! お店なのに現金がないとは、斬新です。ファクトリエは工場と顧客を直接つなぐ生産体制で、一般的なアパレルの製造原価率が20%程度のところを50%以上という設定で高品質の商品を提供されています。たとえばメンズのシャツも1万円程度からと手ごろですが、普通だと3万円くらいになる品物ということですよね?
そうですね。現在、製品ごとに東北から九州まで計55の工場と契約しています。世界の有名ブランドから受注しているところも少なくない、いずれも極めて高い技術を有する工場です。
元々、メイドインジャパンの高品質な製品を適正価格で提供したいという思いがありましたが、この「適正価格」には、工場に適正な利益が分配されるという意味もあります。中間業者を一切介さず、コストがかかる店舗ではなくECを主な販売の場とすることで、お客様と工場の両方にとっての適正価格を実現しています。