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統括編集長インタビュー

「全てはビジョンからはじまる」創業以来連続増収、アイスタイル吉松流データドリブン経営


コミュニティ継続の秘訣は“熱狂させない”こと

押久保:なるほど。ちなみに今、ユーザーとエンゲージメントを築くためにコミュニティマーケティングや“熱量”というキーワードが話題になっていますが、@cosmeでは何が最もユーザーを引きつけているとお考えですか?

吉松:@cosmeではむしろ、熱狂させない、というより冷めない仕組みづくりを考えています。熱しやすく冷めやすいのは、多分オワコンになる。コミュニティは、ユーザーへの還元の点でもデータ蓄積においても、継続することがいちばん大事です。そうすると、あまり熱量が上下すると離反を促進すると思うんです。冷まさないためには熱くしないほうがいい。夫婦関係みたいな感じですかね(笑)。

押久保:なるほど(笑)。

吉松:それに、@cosmeは@cosme自体のファンになってほしいというのもありますが、あくまでプラットフォームなので、ユーザーにはあまり意識せずにインフラのように使ってもらえればと思っています。

押久保:そういう場を作るときのポイントは?

吉松:イヤな点がないこと、でしょうか。コミュニティは、常宿にしたい旅館みたいなのがいちばんいいと思うんです。派手さやイベントはなくても、常に気持ちのいい空間が維持されていると、お客さんが帰ってきてくれる。

 そこで大事なのは、24時間365日ゴミひとつ落ちていない状態を保つオペレーションです。僕らはどこかで、オペレーションがエクセレントな会社が勝つと思っているんですよね。

 メーカーのマーケティングやCRMも、ついつい好きになってもらうことばかり考えがちですが、商品の浮気は止められないので、その後に戻ってきてもらえる発想が大事だと思います。大事な人はどこまでいっても大事な人だ、という。

ビューティープラットフォーム構想の実現へ

押久保:なんとお答えすればいいか(笑)。社員の方に対しても熱意で引きつけるというよりは、一定の温度でというイメージですか?

吉松:そちらのほうが近いですね。個々の考えや状況で退職する人はもちろんいますが、会社を嫌いになって辞めていくケースは少ないのか、うちは出戻りも多いんです。ただ、熱く語るみたいなことはしなくても、社員がアイスタイルに勤めていると自信をもって周囲に言える会社でありたいとはいつも思っています。

押久保:示唆に富んだお話、ありがとうございました。御社は中期経営計画で、美容に関するすべてのモノ/コト/ヒト/場所をつなげるという「ビューティープラットフォーム構想」を掲げ、直近ではその実現に向けた美容のスペシャリスト向けアプリ「@cosme PRO」のリリースや新メディアのオープンなどニュースが相次いでいます。最後に、今後の事業目標と、その先に目指す世界を教えてください。

吉松:2018年の業績予想は266億円で、今のところ堅調に推移しています。2020年の事業目標は売上高500億、営業利益70億を掲げており、これらへも手応えを感じています。

 アイスタイルは以前から、マーケットデザインカンパニーを標榜しています。美容の市場にはメーカー、卸、小売り、そして生活者がいます。そのサプライチェーンのボトルネックを見つけて最適化し、最終的に生活者が幸せになる世界を描きたい。

 そのために、今後数年はビューティープラットフォーム構想の下にメーカーや美容のプロの方々とユーザーをつないで、その距離を縮めていく仕組みづくりに注力していきます。ご期待ください。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/13 17:51 https://markezine.jp/article/detail/28106

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