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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

左右非対称で躍進の「瞬足」 15年の足跡

流通での存在感を高め同時にEC直販にも注力

――「瞬足クラブ」でもアナウンスされていましたが、徒競争の大会も定期的に行われているんですね。

 「瞬足チャレンジ」ですね。園児と小学生を対象としたオリジナルのコーナー走を競う大会で、この3月の開催で6回目になりました。毎回、同時に足型測定会を開催し、2D測定器で足のサイズや幅などを計測して、正しい靴選びに役立ててもらっています。

――先ほど、15周年を機にリブランディングを図っている最中とうかがいました。リアルチャネルが強い中、ECを強化しながらもリアルチャネルでの存在感を増していこうとするのは、どういった理由があるのでしょうか?

 やはり、リアルチャネルが強いと言えど、そこはコントロールできる場ではありません。我々が考えるマーチャンダイジングであったり、2012年から当社全体で打ち出している「足育」という考え方に根ざした展開が100%できているかというと、そうではないこともあります。今、子どもの足の幅が細くなっています。靴の足囲サイズは、A〜Gまでの規格が定められています。瞬足でははじめに2Eさらに1Eを展開し、さらに細いDの商品まで開発しています。しかし、そのことがユーザー、特に親御さんたちに伝わっていません。

 それは仕方ないことかもしれませんが、ともするとそうした売り場作りのために「瞬足は売れない、調子がよくない」という声が店舗側から出てきてしまったりするのは避けたい。そこで、リブランディングによって存在感を高め、もう一度きっちりと売り場を作りましょうと流通小売に協力を求めていきたいと考えています。同時に、独自の競争力を強化するために、EC化も推進しているというわけです。

15周年を機に原点回帰してパワーアップ

――具体的に、リブランディングはどういった方向へ舵を切るのですか?

 新しくするというよりも、原点回帰をイメージしています。ひとつはデザイン面です。この15年の中で、バリエーションも相当に増えましたが、やはり「かっこいい」ものでなければ喜んで履いてくれません。女の子なら、やっぱり「かわいい」ものに魅かれるので、その原点を押さえながら、今のトレンドを盛り込んでいきます。同時に、特に注力しているのは、アパレルブランドとのコラボレーション商品です。これがなかなか好評で、実際に親御さんたちには、なぜ一般の小売店にはアパレルショップで扱っているようなおしゃれな商品を置いていないのかと言われます。なので、こちらの路線はもっと増やしてもいいんだなと考えています。

 2つ目は、販売面です。ECの中でもたとえば自社サイトの中で、前述のアパレルとのコラボ商品を主に扱うようなバーチャルアパレルショップを作ってもいい。そのあたりは、チームでブレストしているところです。また、以前は運動会シーズンに限定モデルを発売したりしていたのですが、安定的に売上が立つようになって、最近は少しお休みしてしまっていました。こうした企画も人気があったので、また復活させたいと思っています。

 最後に、コミュニケーションですね。先ほど少しお話ししたとおり、足育活動で子どもの足を調べ、正しいサイズの靴を選んでもらえるよう啓蒙活動を続ける中で、子どもの足が大きく、また足の幅は細くなっていることがわかっています。先ほど説明したとおり、瞬足ではD、1Eから3Eまでバリエーションを厚くして、どの子にも空気のように馴染む履きやすさを提供しています。それはブランドが元々大事にしている思想であり、500万足をキープしている要因でもあるので、この点を、今度はマス媒体ではなくデジタルでしっかり伝えていきたいと思っています。

――そうなんですね。では、15周年に際する新たな展開などがあれば教えてください。

 新商品としては、「うわばきを変える」と題して、瞬足ブランドから上履き商品「瞬足@スクール」を発売します。

「瞬足@スクール」
「瞬足@スクール」

 前述の足育活動を通して、延べ7,000人の保護者の方と話すうちに、足のサイズを正しく把握した靴選びの大切さや、瞬足の世界観や設計思想はだいぶ伝わったという実感があります。そうすると、今度は「なぜそんなに靴選びが大切なのに、長く履く上履きは数百円の簡易的なものばかりなのか」という声が大きくなってきたのです。その声は、ぐさりと胸に刺さりましたね。

 製品にこだわれば、当然ですが数百円では見合わなくなります。そこで、いっそ瞬足の思想で同様にこだわって、それでもなんとか2,000円に抑えた上履きを発売予定です。

 また、靴以外の靴下、縄跳び、メガネ、アパレルなどへのコラボレーション展開も、各パートナー企業と積極的に取り組んでいます。自転車のヘルメットも扱っていますね。学校生活を応援するNo.1ブランドとして、これからも一層多くの子どもたちに親しまれるブランドでありたいと思います。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

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市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 18:04 https://markezine.jp/article/detail/28266

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