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ユニクロに聞く、「UNIQLO IQ」リリースで得られた成果

「UNIQLO IQ」ユーザーの反応は

MZ:本格的にリリースして以降、お客様からの反応はいかがですか?

松山:メディアでの取り上げやSNS上での反応を日々追いかけていますが、すごく好意的な反応が多く集まっています。幅広い対応ができること、質問の回答率が95%であることなどが高評価につながっています。

 機能面では、店舗の在庫検索がすごく使いやすいという声が多いです。元々アプリやオンラインストアでも在庫検索はできるのですが、チャット形式により利用率が高まっています。同じ機能でも、提案の仕方で利用率が高まるということは、良い発見でした。

 コーディネート機能に関しても、コーディネートと各商品ページを見て回るという体験がスムーズにできると好評です。

MZ:チャットを経由して購買しているというデータも取れていますか?

松山:具体的な数値は言えませんが、チャットを通じて購買するユーザーはどんどん増えています。

MZ:チャットの中でショッピングや問い合わせをしたいという、一定のニーズは感じられたということですね。

松山:そうですね。弊社でチャットボットと対人によるカスタマーサポートを2018年3月から始めたのですが、5月の時点でチャットでの対応が半分以上になりました。電話とメールの対応数をたった3ヵ月で抜かしてしまったんです。その上、お客様からのお問い合わせに応答できる数も前年度の倍になりました。

 チャットボットであれば夜も対応できますし、対人のチャットサービスであれば、同時に複数の方々を相手にできます。電話と比べ、応対時間を3割ほど短くできるというデータも出ています。お客様にとっても僕らにとっても、非常に効率的で高品質なサービスが提供できています。

3つのアプローチで「UNIQLO IQ」を進化

MZ:チャットボット以外で、今後AI技術を活用したいところはありますか?

松山:まだ具体的に言えるところはありませんが、物流や商品の発注、受注予測など、一般的に活用の可能性がありそうなところでの導入は検討しています。

MZ:「UNIQLO IQ」の今後の展望について教えてください。

松山:3つのアプローチで進化させていきたいと考えています。1つ目は、お客様とスタッフの声をもとにした精度向上です。こちらは引き続き取り組んでまいります。

 2つ目は、パーソナライズの強化。特にお客様から求められている部分なので、購買データなどとの連携を通じて実現したいです。

 最後の3つ目は、コミュニケーションチャネルの拡大ですね。どこでも気軽に「UNIQLO IQ」を利用できる環境を作っていきたいと考えています。

MZ:3つ目のコミュニケーションチャネルの拡大というのは、他のプラットフォームでも「UNIQLO IQ」を提供していくということでしょうか。

 そうですね。やはり、LINEやFacebookメッセンジャーなど、お客様がコミュニケーションに使っているアプリやサービスの多くはチャットUIだと思うんですよね。

 「ユニクロアプリ」であれば自由にUIも設計できるので一番良いとは思いますが、チャットをメインにしたアプリには展開していきたいです。実際、LINEとGoogleアシスタントではFAQ対応を始めていて、思った以上にご利用いただいています。今後、ショッピングに関する機能も利用可能にしたいですね。

 これら3つのアプローチがある程度進んだ先には、海外展開も考えています。「UNIQLO IQ」を速やかに、グローバルでも提供できるレベルへと進化させたいです。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29252

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