統合マーケティングの成功事例を創出(スマートニュース)
2018年を振り返って
手前味噌になりますが、スマートニュースにおいて、新コンテンツの創出を含めた、テレビCM中心のオフラインとオンラインを組み合わせた統合マーケティングを実行し、アプリ市場で100位圏外から1位を獲得できたことです。実は、事例としては珍しくなく、既に上場したサービスであるメルカリさんやラクスルさんでも実証されていたことです。このような事例が今後広く認知されることで、それぞれに閉じていたオフラインとオンラインの統合化、さらに行動データ主義と心理データ主義を組み合わせた統合マーケティングが業界を問わず広がっていくと期待しています。
2019年へ向けて
スマートニュースは米国においても、2018年9月から統合マーケティングを開始しました。2019年の早い段階で結果を出したいと考えています。また、デジタル業界でも通用すると確信するに至った行動データと心理データを組み合わせた統合マーケティングが様々な分野で活用され、優れたサービスやプロダクトがより多くのお客様に届き、より多くの成功事例が生まれることを願っています。個人的には、マーケティングや経営に25年以上関わってきましたが、様々な失敗と成功からたどり着いたノウハウを閉じたものとせず、より多くの方々の参考になるようにオープンに発信していきます。

執行役員 マーケティング担当 西口 一希氏
1990年、P&Gマーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクター。2006年ロート製薬に入社、執行役員マーケティング本部長として60以上のブランドを統括。2015年ロクシタンジャポン代表取締役。アジア人初のグローバルエグゼクティブコミッティメンバーを経て、ロクシタン外部取締役戦略顧問。2018年現在、現職およびStrategy Partners代表。
課題解決につながるインサイトの発掘を支援(Twitter Japan)
2018年を振り返って
2018年、Twitter Japanは利用者数並びに収益においても高い成長を果たしました。広告売上の5割を動画広告が占め、その他のパフォーマンス系の広告にも動画が使えるようになったことが背景にあります。またTwitterの価値を再啓蒙するにあたり、Twitterのオーディエンスの価値を改めて訴求しました。今起きていることがわかり、情報を積極的に取りに来る利用者が多くいるため、当該商品やサービスなどの話題化や認知形成の初速をもって効果的かつ安全に行えるプラットフォームであることを、さらに広められたと考えています。
2019年へ向けて
プロダクトや機能の拡充とともに、様々なコンテンツパートナーとの関係強化を図っていきたいです。たとえば、動画広告のインストリーム動画は2種類あり、広告主の方々のニーズや状況に合わせて、簡単かつ安全にご活用いただけるように、さらに啓蒙を行っていく予定です。また生活者向けの広告を通じ、Twitterの今何が起きているか瞬時にわかるというプラットフォームの価値を改めて訴求することで、さらなる利用者の拡大も図っていきます。Twitterの成長に合わせて、健全性に対する期待も高いことから、安心安全だけでなく、使っていて楽しくおもしろいプラットフォームへとさらに進化させていきます。

上級執行役員 広告事業本部長 兼 日本・東アジア事業開発本部長 味澤 将宏氏
2012年、Twitter Japanに入社。広告事業および日本・東アジア地域の事業開発を担当。Twitter入社以前は、マイクロソフトでカントリーセールスディレクター、オグルヴィ・アンド・メイザーでビジネス・ディレクターなどを歴任。
日経IDを使った新規事業に果敢に挑む(日本経済新聞社)
2018年を振り返って
メディアらしいコンテンツマーケティングの追求です。昨秋、ニューヨークタイムズとワシントンポストを訪問し、コンテンツマーケティングはまだまだやりようがあると確信しました。一昨年新設した「N-BRAND STUDIO」を通じて、記事や写真のみではなく、動画、インフォグラフィックスといった多彩な表現方法を駆使して、編集のプロとして読者により刺さるコンテンツを提供するべく努めてきました。創刊2年目のNIKKEISTYLE「メンズファッションチャンネル」はその象徴で、PV数の伸びのみならず、イベントを絡めたマネタイズ面でも大きく実績を残しました。
2019年へ向けて
読者のモバイルシフトが加速する中、PCの広告在庫は減少が予想されます。今年は「Beyondインベントリー」を掲げて、広告在庫に頼らない事業を伸ばしていきます。具体的には、日経IDという1stパーティデータを使った新規事業に果敢に取り組みます。特に中高年に的を絞り、「退職しても持ってて良かった日経ID」を目標に、「健康」「仕事」「お金」をテーマにした新規事業の実験を進めたいと思います。自社だけでは達成は困難で、幅広い企業と連携できればと思っています。デジタルサイネージなど自社の広告在庫に頼らないビジネスにも挑戦していきたいです。

執行役員 デジタル事業 メディアビジネスユニット長 三宅 耕二氏
1985年に早稲田大学政治経済学部卒、日本経済新聞社に入社、大阪社会部配属。マーケティング専門紙『日経MJ(流通新聞)』の編集に15年携わり、2011年『日経MJ』編集長。京都支社長を経て2017年にデジタル事業広告・IDユニット長、2018年より執行役員デジタル事業広告・IDユニット長。2019年1月、広告・IDユニットがメディアビジネスユニットに改称。著書に『ドキュメント ダイエー落城』(共著、日本経済新聞社)。
マスとデジタルの“掛け算”がカギ(日本テレビ放送網)
2018年を振り返って
テレビコンテンツを通じてお届けする情報のリーチ拡大を図る中で、デジタル上の顧客コミュニケーション研究が益々重視され、マスとデジタルとの“掛け算”をどう考えるかが重要度を増していくのを実感しました。私たちも、若年層のインサイト研究はもちろんのこと、デジタルプロモーション研究では、顧客インサイトに基づきクリエイティブを分けた複数の動画広告への反応の比較や、SNSアカウントのストラテジー検証など、数多くの実験を重ねました。また6月にはICT戦略本部が新設され、デジタル上のコミュニケーションを活かした新たな事業開発に向けた本格的な取り組みも始まりました。
2019年へ向けて
“生活者ファースト”の視点で構築されるタイムテーブル戦略を基軸に、キーワードを「地上波テレビ」、「マス・パワー」から、「マルチプラットフォーム」、「One to Oneコミュニケーション」へとシフトさせ、さらなる研究活動に邁進します。特に「ラグビーW杯」の放送と大会の成功に向けた全社的な取り組みは、その大きなきっかけになり得ると考えます。さらに、ショートコンテンツ、eスポーツ、VTuberといった、昨年から社内で研究を始めた様々な新規事業領域の拡大に活かす目的も含め、マスとデジタルの“掛け算”を念頭にしたデジタルコミュニケーションの研究を精力的に進めます。

日テレラボ調査研究部 部次長 中村 知純氏
大学卒業後、1992年日本テレビに入社。営業局で渉外や戦略担当として広告ビジネスに13年間携わった後、2005年から事業局のイベントプロデューサーとして数多くの企画プロデュースや新たなプロモート戦略等に従事。2013年から人事局にて採用、人材育成、組織戦略等に携わった後、2016年より新設された日テレラボにてマーケティング、R&D、デジタルプロモーション研究等に取り組んでいる。