※本記事は、2019年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』38号に掲載したものです。
広告費の9割をFacebookに費やした理由
株式会社エウレカ 取締役CPO&CMO 中村裕一(なかむら・ひろかず)氏
2011年に横浜市立大学大学院を中退後、インターンとしてエウレカ入社。大手化粧品メーカーを対象とする口コミ広告事業に従事、トップの成績を収める。翌年にはマーケティングマネージャーに抜擢され、Pairsのプロデューサーに。執行役員CSOを経て、2016年より現職。
――まず、Pairsの歩みと成長の要因について教えてください。
エウレカは2008年にWeb受託開発や広告代理店業の会社としてスタートし、2012年10月に自社開発プロダクトのオンラインデーティングサービスPairsをリリースしました。続いて2014年に、カップル向けのコミュニケーションアプリCouplesの運営も開始し、2015年にはMatchやTinderなどをグローバルに展開する、アメリカ Inter Active CorpのMatch Groupの一員となりました。
Pairsが大きく成長をしたのは、2014年から2015年にかけてです。Pairsをリリースした当時は、オンラインデーティングサービスの認知がまだ低かった頃。そのため、サービスを安心してご利用いただくために、Pairsの会員登録は実名制のFacebookログインを採用しました。このサービス設計を起点に、PairsはFacebookを中心としたプロモーションに注力してきた経緯があります。
具体的には、Facebook広告の出稿とFacebookページの運用です。Pairsは、ブラウザ版から会員登録後にアプリをインストールする導線だったため、アプリ広告ではなくWebを軸とした集客を設計しました。
Facebook広告を採用したのは、Pairsへそのまま登録・ログインができるからです。LPから離脱せず、高いコンバージョンレートを継続することができました。
あわせてFacebookファンページでライク数を増やすことにも注力し、オーガニックで認知を広げることにつなげています。広告費が限られている中、サービスとメディアの仕様を理解し、ターゲットをFacebookユーザーに絞って認知を獲得できたことは良かったですね。
現在は、SMSによる二段階認証を行う形や、メールアドレスを使用したログインも可能となっています。