売上本数は20万本純増! デジタルキャンペーンの強みとは

続いてのセッション「LINE Sales Promotionで実現した『大規模リアル行動データ型』デジタル販促」では、「LINE Sales Promotion」を活用して販促のデジタル化に取り組んだキリンビールの野際氏と、そのサポートを行った博報堂DYメディアパートナーズの窪田氏、そしてLINEにおいてインストアセールスプロモーションを担当する江田氏が登壇。昨年実施した「キリン メッツ コーラLINEポイントプレゼントキャンペーン」を例に、デジタルキャンペーンの強みについて話した。
同キャンペーンの仕組みは、商品を買ってシールを集めると、LINEポイントがもらえるというシンプルなもの。参加者は店頭のシール付き商品を購入してそのQRコードを読み込み、スタンプを取得。スタンプを3つ集めると、LINEポイントがもらえる。
LINEを活用したキャンペーンでは、購買、行動の実データが取得可能。顧客それぞれにプッシュ通知を送ることもできる。この利点を活かすことで、キャンペーンへの取り組み方が、アナログと比較して変化したという。窪田氏は、代理店の立場から、デジタルキャンペーンで得られたメリットを次のように指摘した。
「アナログの販促キャンペーンは『設計』が一番大事な部分。ローンチ後にできることは、見守ることくらいしかありません。しかしデジタル化することによって、データを活用したPDCA運用が可能になったのです」(窪田氏)
野際氏も「デジタルであれば、キャンペーンの期間中に第2、第3の矢を放ち、『山』を設けることができる」という。
では実際に、キャンペーン実施中にどのような施策を実施したのだろうか。
窪田氏が目指したのは、顧客の応募ステータスに応じて「対面販売」のような接客を実現することだった。具体的には、未応募者や途中でスタンプ集めを止めてしまった休眠者、締め切り直前のタイミングで駆け込み需要がありそうな顧客に、プッシュ通知を送信。たとえば2点まで貯めて辞めてしまった人には、「2点まで貯めていますが、3点目を集めるのを忘れていませんか?」とコミュニケーションをとった。
するとプッシュ通知の直後に売り上げが伸び、キャンペーンに「山を設ける」ことに成功。キャンペーン参加による売り上げは、合計で20万本分純増したという。通常1~4%の程度のキャンペーン参加率も、16%を記録した。
江田氏は「デジタル広告の影響は限定的だといわれていて、やはりテレビを使わないと店頭を動かせないと思われがちでした。しかしLINEの利用で、如実に効果が表れていますよね」と効果を振り返った。
これからの販促キャンペーンは、展開前の設計に加えて、展開中に適切なアクションがとれるかが、売り上げ向上のカギになりそうだ。
