「天才マーケター」の存在で成果が決まるわけではない
BtoBのマーケティング支援に年間30社以上関わる中で、着実に成果を挙げる会社を見てきた一方、なかなか成果を出せない会社もあると感じている。
最初の頃は「その会社に天才的なマーケターがいるかどうか」で差がつくと考えていたが、過去10年、合計数百のマーケティングプロジェクトに関わってきて、まったくそうではないことに気づいた。
今回は、BtoBマーケティングの成否を分ける本当の要因を説明した上で、BtoBマーケに強い=成果を出せる会社になるための5つの方法をお伝えする。
1年で「マーケティング上手」と言われる会社は何が違うのか
「BtoBマーケティングが強い」と言われる会社とそうでない会社の違いは、「打ち手の数」に尽きる。
BtoBマーケティングが強い会社は打ち手の数が多いため、最初は成果が出なくても、知見とデータが組織内に蓄積していく。取り組みを続けるうちに、雪だるま式に知見とデータが増えていき、施策の確度が上がっていくのだ。そして1年もすると、外部から「マーケティング上手ですね」と言われるようになっている。
逆に、打ち手の数が少ない会社は、知見とデータを溜めることができず、施策の成功確度を上げられない。成功の確度が低いままでは、結果もなかなか出ないため、取り組みが途中で頓挫してしまう。こうした会社は、1年後も「うちはマーケティングが弱くて……」と言い続けることになる。
なぜ、打ち手の数によって成果に差が生まれてしまうのだろうか。その理由を完璧に解説しているのが、「学習曲線」の図だ。
施策実行のトライを続け、学習時間が伸びていれば、最初は打ち手の精度が低くても、ある瞬間から大きな成果が出せるようになる。一方、思ったような成果が出ない「死の谷」の心理的、数値的なストレスに耐えられないと、途中で投資を縮小してしまい、成果を出せずに終わってしまう。
では、いったいどうすれば、「死の谷」で挫折せずに、成果を挙げられるのだろうか。ここからは、「死の谷」を乗り越える5つの方法をお伝えする。