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テレビマーケティングの今を知る

2019/05/24 13:15

 大きな転換期を迎えている日本のテレビ市場。データサプライヤーの多様化により、テレビマーケティングの概念が拡大している。データの活用が後押しする、今起きている変化を捉える。

目次

※本記事は、2019年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』41号に掲載したものです。

生活者の視聴習慣の変化により、求められるデータも変わる

――回答協力:ビデオリサーチ テレビ事業局長 橋本 和彦氏

テレビの新しい視聴習慣を捉えるデータへのニーズが高まる

 デジタルシフトにより、生活者の生活習慣や価値観は大きく変化しています。それにともない、テレビを取り巻く環境も一段と変化しています。その変化の一つに、動画サービスの利用率上昇があります。スマホの普及により、手軽に動画サービスを楽しめる環境が整ったこともあり、動画サービスの1ヵ月以内利用者の割合は12?69歳男女で7割を超えています(図表1)。

図表1 動画サービスの1ヵ月以内利用率
図表1 動画サービスの1ヵ月以内利用率

 各サービスの利用率の上昇も著しく、育児のすき間時間にスマートフォンでTVerを楽しんだり、Amazonプライム・ビデオやNetflixをリビングの大画面のテレビで視聴したりするなど、視聴スタイルの多様化に影響を与えていると考えられます(図表2)。

図表2 主要動画サービスの1ヵ月以内利用率(12-69歳男女全体)
図表2 主要動画サービスの1ヵ月以内利用率(12-69歳男女全体)

 テレビの見られ方にも変化が起きています。録画機器を用いたタイムシフト視聴の普及に加え、TVerなど放送局由来のコンテンツをインターネットで視聴できるサービスも広がりを見せています。これらの変化が“テレビ視聴の分散化”につながっています。

 このような生活者の視聴行動の変化にともない、媒体社や広告主が求めるデータも変化しています。そのニーズに応え、テレビの価値を正しく捉えて多様化する生活者を表す視聴率を実現するために、ビデオリサーチは「新視聴率計画」を発表し、2020年のスタートへ向けて準備を進めています。

新視聴率計画のコンセプト

 新視聴率計画には、「テレビ番組のあらゆるリーチを測定する」「多様化する生活者をあらわす視聴率へ」「テレビの価値を正しく捉える」「視聴率をベースにした実数データの活用」という4つのコンセプトがあります。

 その中のキーワードの一つが「タイムシフト視聴」です。日本においては、現在はテレビ視聴の約1割をタイムシフト視聴が占めています(図表3)。

図表3 3地区対応となったタイムシフト視聴データ(視聴量の比較)
図表3 3地区対応となったタイムシフト視聴データ(視聴量の比較)

 現在は関東・関西・名古屋でタイムシフト視聴の測定を行っていますが、データに表れる地域特性を鑑み、今後は全エリアでタイムシフト視聴を測定し、エリアごとのデータを提供していく予定です。

 TVerなどの視聴を測定し、分散化するテレビ視聴を集約していく準備も進めています。また、多様化する生活者を性別・年齢にとどまらずに理解するためには、視聴率のサンプル数が少ないという課題がありました。そこでサンプルを拡大してセグメント強化に対応します。また、全国で個人視聴率の測定を開始し、デジタルとの比較・融合が可能な指標を提供していきます。

データの多様化と視聴率の役割

 近年、テレビのマーケティングデータの多様化が進んでいます。ビデオリサーチでもカレンシーデータ(取引指標)であるテレビ視聴率に加え、シングルソースでテレビ視聴とWeb利用を捕捉する「VR CUBIC(ブイアール・キュービック)」や、同じくシングルソースで個人の生活意識/商品関与/メディア接触を調査する「ACR/ex(エーシーアールエクス)」で、各社のマーケティング・プランニング活動に資するデータを提供しています。

 さらに「ACR/ex」は、テレビ視聴率とのフュージョン「ADVANCED TARGET」で、性年代にとどまらない詳細なプロフィールでの視聴率集計を可能にしました。

 ビデオリサーチは「テレビの価値を正しく捉える」という基本理念に基づいた視聴率データの提供と、各種マーケティングデータの提供、及びそれらの分析に基づいたソリューションの提案を続けています。

 またビデオリサーチ以外にもデータを保有する会社が増えているなかで、それらのデータとの連携など、視聴率の新しい活用方法に関する取り組みも進められています。


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