※本記事は、2019年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』41号に掲載したものです。
タクシー広告の検証のためにテレビCMを開始
株式会社HRBrain Marketing 大森 達也(おおもり・たつや)氏
1988年生まれ。神戸大学卒業、新卒で入社したベンチャー企業にてタクシー広告営業を経験。2016年1月よりインティメート・マージャーに入社し、DMPを活用したデジタルマーケティングの改善提案に従事。2018年4月よりHRBrainに入社し、マーケティング領域全般を担当。
――HRBrainさんが初めてテレビCMを開始したのは2018年の秋頃でしたね。
そうですね、初めてのテレビCMは2018年9月末に開始しました。当社の人事評価クラウドサービス「HRBrain」を導入している企業の方にインタビューした事例バージョンと、あとはお笑いタレントの小峠英二さんが出演しているもので、これは2パターンあります。1つは上司からの無茶ぶりに応えるショートコントバージョン、もう1つは「HRBrain」と社名を連呼するバージョンです。
――御社の設立は2016年でしたね。それまではどのような施策を行ってきたのでしょうか。
デジタルマーケティングが中心でした。当社のサービスの性格から、企業の人事部門や経営層をターゲットとしています。具体的な施策としては、リスティング広告やSNS広告、リターゲティングなど。精緻なターゲティングは難しいのですが、Facebook広告の類似拡張はターゲット層に訴求できるので、よく利用しています。
そんなデジタルマーケティングの基本的な方針としては、他のSaaSビジネスと同じで、施策により受注に至ったお客様のLTVをCAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得単価)で割ったものを指標としています。その数値が一定以上であれば健全な投資ということで、そのまま施策を続けていくというやり方です。
――今回、どのようなきっかけでテレビCMを開始することになったのですか。
実は元々、タクシー広告の展開を考えていたのです。まず都内の経営者に向けて認知を広げたいという思いがあり、それにはタクシー広告が効果的だろうと考えていました。
そこでタクシー広告のクリエイティブ制作に取り掛かったのですが、具体的にどうするか悩んでいたときに、印刷・制作・広告事業を手掛けるラクスルさんと出会ったのです。そこで相談すると、「大きい派手なクリエイティブを一気に作るのではなく、まずクリエイティブの軸を決め、どれが当たるのかを見ながら進めていきましょう」と提案されました。そしてタクシー広告をやる前に、同じオフライン広告ということで、地方でテレビCMを試してみよう、という流れになったわけです。
――いわゆるA/Bテストのような感じでテレビCMを始めたわけですね。
そうです。クリエイティブの検証ができることに加え、実は地方にも当社のお客様は多いので、地方でどれだけCM効果があるかを確認したいという思いがありました。