ビジネス環境の変化に適応するべく、営業プロセス改革に果敢に取り組むコニカミノルタジャパン。2018年度には、営業部全体で創出したパイプラインのうち、マーケティング施策によるものは20.4%という快挙を遂げた。「MarkeZine Day 2019 Focus」に登壇した井田有里紗氏は、成果を出すまでの具体施策やポイントを、失敗事例も踏まえながら語った。
MA×インサイドセールスでパイプライン創出を実現
主力事業の競争激化や、オフィス環境自体の変化が進む中、コニカミノルタジャパンは大規模な営業プロセス改革に取り組んでいる。従来は営業担当が全プロセスを一手に担ってきたが、生産性を高めるため、興味喚起とヒアリング・情報提供をデジタルマーケティングとインサイドセールスで担う体制へと変更。MAも導入し、現状分析やターゲットの明確化などを推し進めた。
その結果、2018年度には、営業部全体で創出したパイプラインのうち、マーケティング施策によるものは20.4%、スタート時に掲げたパイプライン創出の目標額も146.7%達成という快挙を遂げた。
「マーケティングの貢献割合は、平均的に10%程度と言われているなか、1年間こつこつと地道にPDCAを回し続けた結果、このような成果を出すことができました」こう語るのは、同社のデジタルマーケティング全体の推進・強化を行う井田有里紗氏だ。
では、同社は具体的にどのような施策を行ってきたのだろうか。井田氏は、実際にマーケティングチームの体制構築・MA導入の次のステップとなるPDCAを回していく中で直面した課題とその解決策を、「メールマーケティング」「タッチポイント&コンテンツ」「営業との連携」という3つのテーマに沿って振り返った。
チーム体制の見直しやMA活用のポイントが語られた「MarkeZine day 2018 Autumn」のイベントレポート「コニカミノルタジャパンが明かす、MA活用を成功に導く4ステップ」はこちらから。
メール送信数は多いほど効果的か?
一つ目のテーマは「メールマーケティング」だ。営業側から「1件でも案件が欲しい」とメールキャンペーンを依頼され、ハウスリスト全員への送信を頼まれた井田氏。同氏はマーケティング担当として「営業の気持ちはわかるが、一斉配信ではオプトアウトが増えそう」と懸念した。しかし一方で、「一斉配信をやめ、配信数を減らすことで、案件化につながらなかったら……?」という不安も抱えていたという。
営業からの要望を受け入れる形で一斉送信を実施したところ、案の定、オプトアウトが想定より多く出てしまった。「このままではいけない」(井田氏)と、改善に踏み出した。
まずは、過去に実施したメール配信の結果や、その先の案件化数を再確認。すると、ターゲティングしてメールを打てば配信数は減るものの、開封率やクリック率は上がるはずだと気づいた。開封率やクリック率が上がれば案件化数は維持できる上、オプトアウト数も抑制できるはずとの仮説を立てた。
仮説を検証しようにもデータが足りない!
仮説を検証しようとした矢先、次の壁にぶつかった。コニカミノルタジャパンはMAを導入して日が浅く、顧客行動のデータがそれほど蓄積されていなかったのだ。属性情報も、顧客自身が入力した部署や役職の区分、会社の都道府県といった情報のみ。「既存のデータだけでは、満足なターゲティングができない」と知り、井田氏は愕然としたという。
そこで販促費をなんとか工面して、企業の活動状況などを網羅したBtoBマーケティングプラットフォーム「FORCAS」を契約し、既に導入していたMA「Pardot」のデータとつなぎ合わせた。ターゲティングの精度を高めてメールマーケティングを実施したところ、目標としていた案件化数は維持しつつ、オプトアウト数は半分以下に抑えられた。
実際に、資料ダウンロードを案内するキャンペーンでは、3つに分けたセグメントごとにタイトルや本文をカスタマイズ。すると、開封率やクリック率、資料ダウンロード率は大幅に向上したという。
「ターゲティングにおいて気をつけているのは、策定したペルソナやカスタマージャーニーマップをもとにすること」と井田氏。どんな属性で、どんな状態に置かれた人なのかを考え、「その人はこんな課題を抱えているだろうから、こんなキーワードを入れてみよう」と想像することで、受信者が欲しい情報を欲しいタイミングで、まさに1to1のように届けることが可能になるのだ。
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- この記事の著者
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田崎 亮子(タサキ リョウコ)
マーケティング&コミュニケーション領域の編集・執筆・翻訳を手掛ける。コミュニケーション領域の専門誌編集、コーポレートコミュニケーション領域の制作会社を経て、現在はフリーランス。
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