ECショッパーマーケティング、今後の課題は?
MZ:今後、解決していきたい課題はありますか。
生井:ECで獲得したお客様を、リピーターへ転換させていくことです。ブランド広告もECモール内広告も、現在は新規ユーザーの獲得に留まっています。ECはリピートビジネスですから、継続的な購買へつなげなければなりません。そのために、各ECモールが展開するリピートプログラムを活用してリピート顧客=花王ブランドのファン作りをしていきたいと思っています。
流通ECの大きなセールも魅力的です。ブランドとの最初の接点となる貴重な場面なので、トライアル購入の場として活用していきたいと考えています。

MZ:ECモール内のセールなどに合わせた施策も、大切なんですね。
生井:もちろん、ハロウィンやクリスマスといったシーズナリティのあるイベントも盛り上がるので重要です。たとえばハロウィンのときは、コスプレ用途としてコスメブランドのKATE(ケイト)を取り上げたことがありました。他の部門やカテゴリーを超えた商品を同時に並べることが難しい店頭に比べ、ECは様々な商品を一斉に訴求できることがメリットです。多様なニーズをお持ちのお客様へ、まんべんなくブランド価値を伝えられることは、ECでの売上を上げるポイントだと考えています。
MZ:最後に、今後の展望を教えてください。
まずは、引き続き社内の連携体制を強化し、広告から販売、そしてお客様がファンになるまでを一気通貫で設計できるよう、部門の垣根を越えて取り組みたいですね。
ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアによるトリプルメディアという考えがありますが、そこへECモールのようなショッパーメディアも加わると考えています。この4つのメディアを、トータルで考えるマーケティングを実現する役割を担っていきたいと考えています。