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IoTが変えるビジネスとCRM 資生堂“Beauty as a Service”実現への道

2019/10/25 13:15

 「SaaSならぬ“BaaS-Beauty as a Service”を目指していきたい」と語るのは、資生堂ジャパンの新ブランド「Optune(オプチューン)」をけん引する川崎道文氏。資生堂グループでは中長期戦略に基づき、新しいビジネスモデルを模索。忙しくも充実している30~40代女性をメインターゲットに、毎日の揺らぎに対応するIoTベースのスキンケアサービスを確立した。IoT技術で切り開かれている、顧客構造もマーケティングの注力点も異なる次世代ビジネスモデルの展開とデータ活用の可能性を追った。

目次

※本記事は、2019年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』46号に掲載したものです。

日々の肌に合ったサブスク型スキンケア

資生堂ジャパン株式会社 次世代事業開発部 デジタルフューチャーグループ 「Optune」ブランドマネージャー 川崎道文(かわさき・みちふみ)氏
1991年、資生堂に入社。営業職を経た後、マーケティング部門にてスキンケアカテゴリーを中心にブランドマーケティングに従事。その後、事業戦略部門にて日本事業中期計画、外部アライアンスなどを担当し、2017年にオプチューン・プロジェクトのリーダーに就任。

――今年7月にリリースしたスキンケアブランド「Optune」(以下、オプチューン)は、IoTを活用したサブスクリプション型のサービスだそうですね。簡単に特徴を教えてください。

 オプチューンは、IoT技術をベースにしたパーソナライズド・スキンケアです。日々の肌の状態、体のリズム、気分に加え、天候などの外部要因を加味した最適なケアができます。そのパターンは約8万通りあり、資生堂の美容の知見と処方技術を用いたアルゴリズムによって生成されています。

 2017年11月に開発を発表し、翌年から約1年にわたりベータ版を運用して、今年の7月に本格展開しました。様々な市場でSaaS型のビジネスが進んでいますが、オプチューンでは資生堂の新しい志向の一つとして“BaaS-Beauty as a Service”を切り開きたいと考えています。

 使い方としては、ユーザーに専用マシンを貸し出して、スマートフォンアプリと連携してWi-Fi環境下で朝・晩と肌の状態を撮影してもらいます。するとクラウド上で瞬時に分析され、2ステップの保湿液がマシンから抽出されます。マシンには、個人に合った5種類のカートリッジを入れる仕組みで、それぞれ残量がわずかになれば新しいものを自動でお届けします。基本的に朝晩の利用を想定し、月額1万円(税抜)の定額制で提供しています。

――どのような背景から開発に至ったのですか?

 資生堂グループが2018年に発表した2020年までの経営戦略「新3ヵ年戦略」では、成長を加速させるための取り組みについて明らかにしています。生活者の美に対する価値観のさらなる多様化、またD2Cモデルの進展も加味して、特に「パーソナライズド・ビューティー」のコンセプトを強く発信しています。

 以前から資生堂では、美容部員の接客などを通じてお客さま一人ひとりのニーズを汲み上げ、最適な商品をお勧めすることに努めてきました。そこに昨今のデジタル技術を上乗せすると、できることが相当広がります。特にこの2年ほどで、資生堂アメリカ地域本社がAIによる画像解析技術を持つギアラン社、肌の色を判定する技術を有するマッチコー社などのベンチャー企業をグループ傘下に収め、パーソナライズした新サービスの実現に向けて取り組みを進めています。

 そんな中、資生堂ジャパンでは社長の杉山(資生堂常務 兼 資生堂ジャパン代表取締役社長の杉山繁和氏)の旗振りの下、2017年早々に「生活者志向の新しいビジネスモデル」を立ち上げる計画が持ち上がり、私が担当することになりました。

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