わずかな違いがCV10%の差を生む
エン・ジャパン運営の転職サイト「エン転職」は総会員数が750万人を突破していて、新規会員が毎月7万人ペースで増えているという。Instagram経由の登録も少なくない。
「Instagramでは、潜在層の方へのリーチに注力しています」と田中氏。「エン転職を知らない」「エン転職を知っているがアプリをダウンロードしていない」「アプリをダウンロードしたが求人を閲覧していない」というファネルの上位3つに対して、Instagramキャンペーンを活用している。
田中氏は、「1人がたとえ100社に応募しても入社するのは1社。1人に何通も応募してもらうより、多くの求職者にエン転職を知っていただくことを優先しています」と語る。
田中氏がInstagram広告で特に注力しているのがクリエイティブだ。Instagram上で他のコンテンツと並んだときに、その人にとって見たいもの、保存したいものになっているかが非常に重要だからだ。また、進化し続けるアルゴリズムに対応していくために、高品質なものを大量に作っていくスタンスを保っている。2年前には月に10本用意していたものが、今はAIも活用することで月に100本用意するといった具合だ。
「観察(Observe)」「仮説構築(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の4つからなるOODAループによる効果検証も行っている。同じ背景画像でもロゴや文字の入れ方を少し変えただけで、コンバージョンが10%も違ってくることもあるという。
最後に日下部氏が来場者へのアドバイスを求めると、田中氏は「アドバイスできるほどの立場にいない」と恐縮しながらも、次のように締め括った。
「3年前の自分に伝えるなら、新たな広告ソリューションはいち早く使えと言います。仮にそのキャンペーンが成功しなかったとしても、機械学習が日々進化する中で、教師データを貯めることが重要だからです。また、Facebook社さんと目標設定を行い、パートナーシップで目標とのギャップを埋めていくことも大切でしょう。インハウス運用による知識だけでなく、外部のパートナーから得た知見も活かして、利用者のためのコンテンツ制作を続けていきたいと思います」(田中氏)
▼「Instagram Day Tokyo 2019」関連レポートはこちら
『資生堂がInstagramを中心としたブランディング戦略を公開 ストーリーズ広告の新常識とは?』