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MarkeZine Day 2020 Spring

「DXは直線的には進まない。指数関数的なイメージが必要」MizkanのCDOが語る変革への5つの指針

「B to B to C」でも、生活者とつながる手段を

 DXによって、ミツカンのビジネスにはどのような変化が生まれているのだろうか。渡邉氏はその1つとして、目の前の生活者を理解し、その声を取り入れていく試みを紹介した。

 ミツカンは自社製品を流通小売業に卸し、そこから生活者の手に届ける「B to B to C」の形態でビジネスを行っている。長年、生活者との距離が生まれてしまう課題を抱えていたが、デジタルを活用することで、様々な接点を作り出せるようになった。

 具体的には、同社のLINE公式アカウントで「友だち登録」している約750万人のユーザーと新しいメニューを共創。たとえばLINEで「味ぽん」のファンにメッセージを送り、「味ぽんメニュー作り隊」として「半熟卵のさっぱり肉巻き」「鶏の味ぽん南蛮漬け」といったメニューを投稿してもらった。

 また「追いがつおつゆメニュー作り隊」にも約50名のメンバーが参加し、アンケートやメニュー案のブレストなどを繰り返して新メニューを考案しているという。

 共創活動を行うことで得たものについて、渡邉氏は、「お客様の声を聞くことで、社員だけの検討では採用されなかったアイデアが残るなど、意外な結果が見えてきました。また、LINEを通じてユーザーとやり取りすることで、圧倒的なスピード感が生まれ、これまでの調査と比べて3分の1のコストとスピードでメニュー開発ができました」と話す。

 社内から出たアイデアと比較する方法がないことや生活者と直接コミュニケーションするノウハウがないことなど、様々な課題も出てきたというが、行動に移すことでたくさんの気付きが得られたことそのものが成果だったという。

 さらに、こうした企画を一層進めていくために、2019年8月から「ZENB」のメンバーと、既存事業の変革部隊であるデジタル戦略本部のメンバーが、都内某所のシェアオフィスに入居した。働く場の変革を行ったことにより、チームメンバーのコミュニケーションも大幅に増えているそうだ。

 渡邉氏はDXの取り組みについて以下のように総括し、セッションを締めくくった。

 「中長期ビジョンを常に問い続けて、目指す方向がぶれないように気をつけながら、『Start Small』のアプローチで、それをどのように大きな変革の波に乗せるかを『Think Big』で考え続けたいと思います」(渡邉氏)

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この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/22 07:00 https://markezine.jp/article/detail/32999

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