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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

私のキャリア

海外事業への挑戦で見えた景色 数字で成果を語り、責任を持ってマーケティングをリードしたい

挑戦続きの海外事業から学んだこと

――韓国事業部では、どのようなお仕事を?

 マネジメントや予算管理、現地ドラッグストアへの営業交渉など、立ち上げに関するほとんどすべての業務を担当しましたが、想像以上に波瀾万丈な日々でした。現地にも3ヵ月ほど住んだのですが、日本と違う環境の中で、とにかく必死でしたね。特に営業は初めてでしたから、自分で資料を作成し、業務委託の方に翻訳してもらいプレゼンをして、質疑応答を持ち帰って対応して……と新鮮な経験でした。それまでは、提案をいただき、意思決定して発注するマーケターの立場に慣れきっていたので、逆の視点に立てたことは、良かったと思います。

 日本ではD2Cブランドとして定期通販をメインに展開するバルクオムですが、韓国は定期通販コスメの文化がありません。私たちは日本で、低価格に抑えた初回購入で購入ハードルを下げ品質の良さを実感いただき、継続的にご利用いただくことでブランドを拡大してきましたが、韓国では、「どうやって売っていこうか?」から考え直さなければなりませんでした。ですから小売業者を通すことは、ブランドとしても新しい挑戦だったのです。そのうちに、韓国でも有名なドラッグストアに商品を卸せる流れで契約が進みましたが、日本商品の不買運動が起こってしまうなど様々な要因が重なり、2019年の12月に韓国事業をクローズする判断をしました。

――マーケターの業務領域を超えた、幅広い経験をされたのですね。

 そうですね。マネジメントについては、文化の違いからくる現地メンバーの考え方や働き方を、もっと理解しておくべきだったと悔やまれます。会社のビジョンを伝えたり、モチベーションを上げたりと、もっとやれることはあったと思います。一方で、国内事業の参考となる知見も多く得られました。男性にスキンケアを啓蒙することが第一の日本と違い、韓国には男性スキンケアの文化が根付いていたため、ブランドスイッチングの戦略について深く考えることができました。また、先ほど定期通販が一般的ではないとお話ししましたが、店舗での売り方も大きく違います。繁華街のミョンドンでは、店員が店頭に立って大勢の人たちに声をかけ、まとめ売りやシリーズのセット売りでお得感を押し出し、お客様が選ぶ手間・買う手間を節約できるような売り方をしていたのです。これらは実際に韓国へ行ってみて、「日本で聞いていた情報と違うな」と実体験し、得られた知見です。環境や文化が違うと勝ちパターンが通用せず、マーケティングすべてを考え直す必要がある。立場が変わったときの考え方は、現在担当する国内事業部の業務の中で活かされています。

――現在、国内事業本部ではどのようなお仕事を?

 マーケティングチームをまとめた国内事業本部のミッションは、来年度内に男性コスメ国内売上シェアNo.1を取ることです。バルクオムはWeb通販で高い認知を誇りますが、国内の小売店やマス市場も含めると、自社概算でシェア3位、4位が現状です。大手メーカーの競合商品は、ドラッグストアやコンビニなどのリテール販売が強く、私たちはまだ充分に進出できていません。しかし、それだけ伸びしろがあると考えています。強みのWebマーケティングを活かして、既存の販路の販売単価を上げつつ、チームを横断したプロジェクト進行の2軸で、売上シェアを伸ばしていきたいです。

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再現性と拡大性、そして持続性を大切に

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/01 17:24 https://markezine.jp/article/detail/33663

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