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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

デザイン×テクノロジー×日常の疑問から生活を良くするアイデアを生む

試すことの蓄積がアイデアの源泉に

――ちなみに、今回は「2mがどのくらいの距離か」という疑問からアイデアが生まれたわけですが、普段どのようにアイデアを発想して形にしているのでしょうか。

 アイデアを発想する際は、「小さなできた」の積み重ねで作るようにしています。日ごろから、多くの技術で用意されているチュートリアルなどを試してみて、技術の特性などを自分の知見として蓄積する。その上で、今回みたいに疑問が生まれたときに使えそうな技術を組み合わせて、気軽に作って試すことが重要だと思っています。

――企画から形にしてしまうところが寺島さんらしいなと思うのですが、普段のクライアントワークでも実際に技術を使って形にして提案するのでしょうか。

 必ず技術を活用するわけではないですが、普段から心がけているのは解像度を高く見える化することです。たとえば、プロダクトデザインを作る企画であれば、具体的なビジュアルを企画段階から提示したり、アプリを制作するのであれば、使用動画を作ってプレゼンしたりということはよくやっています。

 PARTYが出すアウトプットの多くが世の中にまだないものであるケースが多く、リファレンスなどを集めて文字ベースで提案しても正しく理解されにくいのです。そのため、提案がどういうものかをはっきり示すようにしています。

――日ごろから様々な技術を試して知見として貯めておく以外に、アイデアを発想する上で大事にしていることはありますか。

 人の気持ちはちょっとしたことで変わるということを念頭においてアイデアを考えますね。たとえば、新型コロナウイルスの影響で不要不急の外出が難しくなっても、少し買い物に行くときに「Keep Distance Ruler」を使って楽しくソーシャルディスタンスを保つ。そういった少しでも人の気持ちが変わることに寄り添えた企画になればと考えています。

人の気持ちが変わることに寄り添えた、2つの企画

――実際に先ほどのアイデア発想術を活かして、上手くいった事例はありますか。

 2つあって、1つはサンスターと共同開発した「G・U・MPLAY」ですね。いつもの歯ブラシにアタッチメントを付けることで、スマートフォンと連動したゲームなどが体験できるIoTプロダクトとなっています。

 歯磨きって子供からすると嫌なものだったりすると思うのですが、それを少しでも楽しんでもらえる商品として開発を進め、非常にお客様から好評でした。

 もう1つは、「FUJI ROCK `19 EXPerience by SoftBank 5G」というアプリです。フジロックに行かずとも、アプリ上のバーチャル空間で会場の雰囲気を味わうことができるものになっています。新型コロナウイルスの流行を予測していたわけではありませんが、2020年のFUJIROCKが一年延期になってしまったように、今後ライブやフェスなどのバーチャル化は必要になると思います。

 その中で、このアプリの技術の使い方は非常に良かった。もちろん、ライブなどはリアルで体験するのが最高だと思っていますが、その8割くらい、もしくはリアルの次に楽しい手段を用意していきたいです。

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今は世界共通の課題に向き合うチャンス

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/27 14:30 https://markezine.jp/article/detail/33869

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