今は世界共通の課題に向き合うチャンス
――昨今はリモートで収録したテレビCMのクリエイティブが流れたり、医療従事者などへのエールをクリエイティブのメッセージに入れたりするなど、クリエイティブに変化が起きていると思います。今後作られる広告クリエイティブには、どのようなことがもとめられるのでしょうか。
アウトプットの仕方は企業やクリエイターによってそれぞれだと思いますが、これほど世界中の人が同じ社会問題に向き合うことってほとんどないはずです。この状況下だと、1つのアウトプットが世界中で受け入れられる可能性があるので、クリエイターにとってはある意味チャンスだと思っています。
――「Keep Distance Ruler」ではARを活用していましたが、これからのクリエイティブにおいてテクノロジーはどのような役割を果たすと思いますか。
今回活用したARも、実はすでにiPhoneに搭載されている技術です。しかし、その技術があまり使われていない現状を考えると、クリエイターが自ら使い方を考えてコンテンツでおもしろさを引き出すことが重要だと思っています。
オンライン飲み会が流行っていますが、技術的には数年前からできたけど、コロナ禍になって試してみた結果、小さなお子さんのいるママでも飲み会に参加できるなど気づけなかった良さがわかって浸透していきました。これはたまたま生み出されたもので世の中が良くなった事例ですが、我々からテクノロジーが加わることでおもしろいクリエイティブを生み出せたらいいと思います。
リテラシーが上がった今こそデジタルを活かす
――最後に、今後の展望を教えてください。
PARTYでは、今後Virtual Park System「VARP」というプロジェクトであらゆるエンターテインメントをバーチャルで楽しめる空間を提供して行く予定です。今回の新型コロナウイルスの影響で、人々のデジタルリテラシーが上がったと思っています。リモートワークが浸透し始め、オンライン上で飲み会を開くようになるなど、様々なことのオンライン化が進んでいるので、そこに対し我々ならではのアイデアを提供していければと思います。
その他にも、満員電車での通勤やハンコ文化など、なんとなく続いていたけれど、ときに不便に思われてしまうことがコロナ禍によって続々とあぶり出されています。今後の10年を見据えて、良いところを伸ばしていけるクリエイティブアイデアを考えて、世の中が変わる起点に携われたらと思います。
