30代の女性社員と男性社員の中に見られる不満
続いては、在宅勤務の標準化によって、おしゃれによる自己表現の機会が制限され、フラストレーションをためているFu-manさんです。

「主にボトムス(下半身に着る服)で自分の雰囲気を表していたのに……」「出社時は、腕時計、靴下、香りなど、細かいところまでこだわることで、突っ込まれるきっかけを生んでいたのに……」など、おしゃれに関するこだわりを発揮する場がない嘆きが見られました。
オフィスに通勤していたときは、髪型から靴・鞄・アクセサリーも含めて、全身のコーディネートで自分らしさを表現できていたものの、オンライン会議では、主に顔+トップスの一部しか見せられない。本来の自分(嗜好・イメージ)を表現する幅が狭まっていることに、モヤモヤを感じる声が見受けられました。また、特に初対面の人とは、上半身のみという、限定的な部分で自分を判断されてしまうことも非常に本意ではなく、納得がいかないようです。
このタイプのFu-manさんは、30代の女性社員と男性社員の中に見られました。
CX発想のヒント
もちろん彼らの中には工夫に熱心な層もいます。どうせ上半身しか映らないのであれば、おしゃれ資源は上半身に集中させる! とばかりに、髪色・リップの色味で表現・主張力を高めて、未充足感を満たすFu-manさんも見られました。また、堅苦しくない会議なら、あえて少しおもしろいメッセージが書いてあるTシャツを着用するというFu-manさんもいました。実際、百貨店などでは、トップス(上半身に着る服)の売り上げが伸びているようです。おしゃれさんたちには、“胸上1mの表現力”を鍛えることが重要なテーマになっているのかもしれません。また、おしゃれだけではない、オンラインでの幅のある自己表現アイテムにも需要がありそうです。
