コミュニティは大切なお客様を再認識する接点
締めくくりは、ウェビナーらしい双方向のコミュニケーションで盛り上がった。チャットによる参加者からの質問に、高橋氏・上村氏が答えていく。まず、「オンラインイベントに集中する入り口施策とは?」について、高橋氏が回答。たとえば「どんな立場で参加していますか」など、ハードルの低い自己開示の質問をイベント冒頭に用意しておくと、参加者のコミットメントを得られやすいという。
「コミュニティ運営者がはじめにやること」の回答には、小規模からスタートすることと、社内を巻き込むことが挙げられた。上村氏がセッションで紹介したメルカリ文化祭は、10人規模の座談会からスタートし、少しずつ関わるファンを増やしながら、共創型のイベントとして作り上げたものだという。また、マネジメント層を巻き込むこともポイントだ。上村氏は、文化祭にメルカリジャパンのCEO 田面木宏尚氏にも参加してもらい、ユーザーとの交流の場を設計。その後、社内で同氏から文化祭のことが言及され、一気にインナーコミュニケーションが進んだそうだ。
終わりに高橋氏は、ブランドとファンの関係構築について、次のような展望を語った。オンラインイベントが一般化していくからこそ、リアルで会うことへの価値が再定義されていく。オンラインにより、地方からの参加や移動がしづらかった人達の参加ハードルは下がった。逆に考えると、リアルの価値が問われ、ブランドはその答えを明確にしなければならない。そしてコミュニティは、誰が大切なお客様なのか、誰に向かって価値を提供しているのかをブランドが再認識する貴重な接点となる。「はじめの一歩は、オンライン・オフライン問わず、担当者がブランドのファンに会うことです」と、アクションを促した。