「兆しFu-manさん図鑑」第1回はこちらから!
第1回:増えゆくリモートワークで発生した“おしゃれ”の不満を調査
リモートワークで見えてきた、働き方の不満
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の拡がりをトリガーに、リモートワーク・副業解禁・多拠点生活・週休3日制など、世界に少々後れをとりながらも、日本でも徐々に新しい働き方への移行が進んでいます。そんな中、日常の暮らしにおいてどんな不満が新たに台頭し始めているのでしょうか? その実態を調査しました。
見極められない上司の機嫌……気遣いコミュニケーションにチャンス
最初にご紹介するのは、リモート環境下での、上司への“プチご相談・ご確認作業”に、日々神経をすり減らしているFu-manさんです。
会議を設定するほどではないものの、メールやチャットでは済ましきれない相談・確認事項が生じたとき、どう応対すれば粗相がないか……。Fu-manさんの頭の中では、その都度ひとり脳内会議が開催されています。
「この程度の相談内容で、上司にわざわざ“〇〇の相談”といったスケジュールを飛ばして良いのか不安」「かといって、チャットで片づけることも気が引けてしまう」「チャットでは疑問点を解消しきれないことも多いものの、そのたびに質問していては相手に嫌がられそうで不安」といった声が目立ちました。「細かな疑問を気軽に聞けなくなった」という人まで出てきています。
また、オフィスで働いていた際には、上司の都合や機嫌の良さそうなタイミングを見計らって確認しに行くことができましたが、リモートでは無理。社員同士のカレンダー共有はなされても、カレンダーでは、上司や同僚の機嫌やコンディションは読み取れません。「上司が休憩中なのか、多忙なのか、リモート環境では見極めきれない」といった、”最善のお伺いタイミング”の見計らいに苦心する声も見られました。
そんなFu-manさんは、聞いて教わることが多い20代の新人世代だけでなく、中間管理職世代である30代・40代男性にも多く見られました。
彼らの多くは、社内の空気や他人の行動を敏感に察知しながら、上司・先輩へ礼節ある態度で振る舞い、細やかな気遣いを発揮し、不意の叱責を回避してきました。それこそがサラリーマンとしての正しい振る舞いだと叩きこまれてきたからです。それゆえにリモートでは“上司のコンディション察知”が難しく、頭を抱えることが多いようです。
また、転職・異動をしたばかりの人にとっても、気軽に相談しづらい状況はつらい環境です。このことを懸念し、「転職にはブレーキがかかる」という声も見られました。
CX発想のヒント “日本人の気遣い方”に寄り添った社内コミュニケーションに可能性
「業務をスムーズにするべく、社内はチャット中心のフランクなコミュニケーションへ!」といった号令をかける企業も増えつつあります。しかし、企業風土・部署の雰囲気・社員の世代によって、“フランクなコミュニケーション”への移行には、まだまだ差があることも事実です。現在一般的なチャットシステムは、海外企業の提供サービスであることが多いため、日本人ならではの”気遣いの美学”や”人の機微を察知して動きたがる”という性質までは想定されていません。日本人ならではの”気遣い”に寄り添った、社内コミュニケーション支援ツール・仕組みの構築には、隠れたニーズがありそうです。