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累計契約200万件突破のUQモバイルに学ぶ、AIマーケティングが成功する事業と組織のあり方

2020/10/14 11:00

 MarkeZine Day Autumn 2020の2日目。「KDDIグループが実現するAIマーケティング~UQモバイルの事例から見るマーケティングにおけるAI活用の要諦~」と題して登壇したのは、KDDIの山本隆広氏、UQコミュニケーションズの水谷晃氏、そしてARISE analytics(アライズ アナリティクス)の桝本智志氏(アクセンチュア所属。2017年よりARISE analyticsに参画)の3名だ。それぞれの立場から、注目の集まるAIマーケティングの導入と実践、そしてAI人材の育成に関して語られた。

目次

KDDIのデータドリブン経営を支援するARISE analytics

 はじめのスピーカーは、KDDIの山本氏。同社の事業戦略と、ARISE analyticsとのパートナーシップについて紹介した。

 KDDI株式会社 サービス統括本部 パートナービジネス開発部長 山本 隆広氏
KDDI株式会社 サービス統括本部 パートナービジネス開発部長 山本 隆広氏

 KDDIでは、2020年にスタートした5Gを前提に、イノベーションの創出や従来の通信事業とライフデザインの融合、そしてグローバル事業のさらなる拡大に加え、auペイなどの金融事業に注力。それらを支えるビッグデータの活用に関しても、事業戦略の一つとして位置付けている。

 そして、KDDIがビッグデータ活用で目指す先は、顧客体験価値の最大化とデータ駆動型社会の実現。それを支援するために、2017年に設立されたのがARISE analyticsだ。同社は、KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーで、300名を超えるデータサイエンティストが所属し、マーケティングやIoT領域でのデータ分析に強みを持ち、企業のDX支援を行っている。

 また、携帯電話のGPS位置情報データを用いた分析ツール、KDDI Location Analyzerの開発にも関わった。最近では、携帯電話のGPS位置情報データを用いて、コロナ禍における人流解析などの分析レポートなども手掛けている。

 ARISE analyticsの特徴は、AIによるデータ分析とコンサルティングに留まらず、現場と一体となって企業課題を解決に導くこと。KDDIとともに培ってきた知見やアセットを、同社のグループ会社やパートナー企業へ展開するフェーズまで成長している。その成功事例の一つが、UQコミュニケーションズだ。

顧客満足度につながる因子をAIで可視化する

 続いて、UQコミュニケーションズの水谷氏が、ARISE analyticsとともに推進してきた同社のAIマーケティングを紹介した。

UQコミュニケーションズ株式会社 事業開発部 副部長 データ経営推進グループマネージャー 水谷 晃氏
UQコミュニケーションズ株式会社 事業開発部 副部長 データ経営推進グループマネージャー 水谷 晃氏

 2018年、UQコミュニケーションズはデータ活用組織の立ち上げに際し、ARISE analyticsとパートナーシップを結んだ。ARISE analyticsは、施策高度化、顧客理解促進、データ活用環境の整備、AI活用人材の育成という4つの領域から、UQコミュニケーションズを支援。

 マーケティングのAI活用となると、データ分析環境の整理と予測モデルの構築がイメージされがちだが、水谷氏は「まず施策を実行し、そのフィードバックデータをAIに学習させる、フィードバックループの構築に価値があった」と話す。そして、それを支えるAI人材育成が、非常に有効だったと振り返った。

 とはいえ、部署の立ち上げ当時、社内からは「何をするチームなのだろう」との反応が多かった。そこで水谷氏たちは、既存の営業施策の効率化にフォーカスし、いち早く成果を出す「クイックウィン」を心がけたという。

 「AI活用にあたっては、まずその利便性を社内に浸透させることが大事です。また、当社の社長をプロジェクトオーナーと位置付け、経営層からのコミットをもらいながら、定期的に成果を発信していきました」(水谷氏)

 UQのマーケティングゴールは、顧客の満足度を高め、継続利用を実現すること。「お客様が私たちのサービスのどこに満足され、新規契約や継続を選ばれるのか。その主要な因子を、AIで可視化したいと考えたのです」と水谷氏は語った。


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