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アドテクが向かう先は危機ではなくチャンス

 ユーザーをトラッキングできるアドテクの技術は、振り返ると企業側のロジックと都合だけを優先して最適化されてきた側面がある。個人情報保護の動きが強まり、これまで駆使してきた手法を見直さざるを得なくなったこの状況は、アドテクの危機と言えるのではないか。黎明期から業界を知る有園雄一氏にこんな問いを投げかけたところ「多くの企業にとって、危機ではなくチャンスである」という答えが返ってきた。データとの向き合い方を見直し、好機をつかむヒントはどこにあるのか。

電子版(誌面)はこちらから閲覧できます。

※本記事は、2020年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』58号に掲載したものです。

本来インターネットには権限移譲と分散化の思想がある

zonari合同会社 代表執行役社長 有園雄一(ありぞの・ゆういち)氏
早稲田大学政治経済学部卒。1995年、「貨幣の複数性」(卒業論文)が『現代思想』(青土社1995年9月貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。オーバーチュア(現ヤフー)、グーグル(Sales Strategyand Planning/戦略企画担当)などを経て現職。2004年、検索キーワード入りテレビCMを考案、日本で最初にトヨタ自動車「イスト」CMが採用。2014年、Dual AISAS Modelを提唱。2016年〜19年、株式会社電通デジタル客員エグゼクティブコンサルタント。2018年、アタラ合同会社フェローに就任。2018年度株式会社電通電通総研カウンセル兼フェロー。2019年〜、電通総研パートナー・プロデューサー。2020年〜、株式会社ビービットマーケティング責任者。

――個人情報保護の動きを筆頭に、データ活用に関する様々な規制が強まり、アドテクの手法も影響を受けています。“アドテクの危機”とも言われている現状を、どうご覧になっていますか?

 「そもそも、危機なのか?」というのが率直な私の意見です。ユーザーデータの取得に制限がかかり、今までと同じようにはいかないのは事実ですが、これは「あるべき方向である」と思っています。

 Cookieが登場し始めた2000年前後の時点で、この業界で仕事をしていた私の周囲では、既に「これはいつまで使えるのか」という見方がありました。アドテク利用のためにCookieが出てきたわけではない話は有名ですが、Cookieによるトラッキングがデフォルトではなかった状態から、徐々に媒体社側がCookieタグを入れてコンバージョンをはじめサイト内行動を計測するようになっていきました。裏を返すと、Googleなどプラットフォーマーにどんどんその情報が集まっていき、Googleはそれをコンテンツターゲティングなどにも活用していった……という経緯があります。

 そうして十数年が経ち、ふと気づくと、平たく言えば「あれ、意外と情報が取られていたね?」という状態になっていたのがここ数年なのだと思います。ユーザー側も、一度ログインしたサイトは再来訪時にログインが不要になったりと、Cookieの恩恵にあずかってきたので、情報が取得されている点に意識が向かなかった。

 私が「あるべき方向だ」と申し上げたのは、そもそもインターネットの設計思想が「エンパワーメント」だったからです。エンパワーメントは、訳すと「権限移譲」になるでしょうか。エッジコンピューティング、ディセントラライゼーションといった言葉は皆さんどこかで耳にしていると思いますが、中央集権を脱して分散化しようという発想ですね。よく言われることですが、米国防総省の1ヵ所のサーバで軍事機密情報を管理するより、分散化して保持していたほうが安全だという考えなどが、当初のインターネットの設計思想の下敷きにあります。

 そして権限移譲や分散化の発想は、個人にも当てはまるんです。中央政府が個人を管理するのではなくて、一人ひとりの個人に権限を分散して保持してもらう。つまり、権限の分散管理と権限移譲は同じ意味ですね。だから、個人の情報に関しても個々人に権限があるという考え、つまり「個人のエンパワーメント」がインターネットの歴史では主流でした。その歴史の中で、たまたまCookieの登場によって個人の情報が集約される流れが強まりましたが、本来は個々人が自分の情報を管理して然るべきです。そういう意味で、あるべき方向と言いました。ちょっと異質な流れが揺り戻されているのが今、と捉えています。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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