LINEは、2020年10月15日、「LINE SMB DAY」を開催した。中堅・中小企業向けにLINEを活用した新たな顧客コミュニケーションの在り方を提示し、それを実現するソリューションを発表した。
「LINEと切り拓く、新時代の顧客コミュニケーション」と題したキーノート冒頭では、同社 執行役員 広告ビジネス事業担当の池端由基氏が登壇。中堅・中小企業や店舗運営者が「LINE公式アカウント」をはじめ、顧客コミュニケーションのプラットフォームとしてのLINE活用を促進する新サービスが発表された。
「日本の90%以上がSMBだと言われているが、我々はそのような日本を支えている皆様に向けて、これまでも様々なサービスを展開してきた。本日のイベントでの発表を通じて、皆様の事業へのヒントを提供したい」と池端氏は意気込みを語る。
ユーザーを企業をつなぐプラットフォーム「LINE」の成長と概況
ユーザー同士をつなぐサービスとして2011年にスタートしたLINE。サービスローンチから約9年経った今では、利用者数は約8,400万人、「LINE公式アカウント」のアクティブ数は24万件を超える規模にまで成長している。ユ―ザー間だけでなく、ユーザーと企業をつなぐコミュニケーションインフラとして、大きな成長を遂げている。
2020年、新型コロナウイルスの影響で、外出や店舗運営の自粛要請が出され、大多数の企業が大きな影響を受けた。企業は顧客とのリアルな接点が制限されたことで、顧客との新しいコミュニケーションを再考する必要に迫られている。「LINEはユーザーと企業の架け橋になる」と語る池端氏から、それを実現する6つの取り組みが紹介された。
1、「LINEで予約」
一つ目は、「LINE公式アカウント」において、オンライン予約やトークでの予約が可能なサービス「LINEで予約」。ファーストパートナーとしてぐるなびを迎え、2020年11月以降の提供開始予定だ。
「LINEで飲食店をみつけて、LINEで予約する。そんな体験を可能にする機能を、『LINE公式アカウント』に実装していく。ファーストパートナーのぐるなびと手を合わせ、withコロナ時代における新たなイートイン、外食体験を構築していく」(池端氏)
2、「LINEプレイス」
2つ目は「LINEで予約」を促進するための、新たなメディアサービス「LINE プレイス」。2021年2月リリース予定。まずは飲食店の情報を充実し、その次のフェーズとして、美容サロンなどへ取り扱う領域を拡大していく見通しだ。
「LINEのホームタブからアクセス可能で、様々なジャンル、シチュエーションにあったお店選びが可能になる。お店の公式アカウントへの友達追加の導線を設計し、探すだけでなく、その後の予約までの一連の流れをスムーズに支援していく。お店とユーザー、そのすべての接点をLINEがサポートしていきたい」
3、「LINE POP Media」
続いて、メーカーや小売店向けのソリューション「LINE POP Media」が紹介された。本サービスを利用することで、お店の中でLINEを開ているユーザーに対して、おすすめ商品情報やクーポンの配信が可能になる。従来のPOPと異なり、店舗の外でも顧客とつながり続けることができる。2020年9月からトライアル提供を開始している。
4、「LINEで応募」
4つ目はキャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」。店外ではLINE公式アカウントやLINE広告からの告知ができ、店内では「LINE POP Media」からリマインドを行うことが可能だ。来店客はLINE上で簡単にキャンペーンに参加ができ、すべてが手元のLINEの中で完結する。キャンペーン終了後も、コミュニケーションをとり続けられるのがポイントだ。
5、「LINEマーケットプレイス」
LINEの法人向けサービスにおいて、「LINE公式アカウント」などのサービスを対象に、自社開発なしでLINE APIと接続できるアプリを提供する「LINEマーケットプレイス」をオープンした。現時点では14社19アプリが参画し、今後も拡大予定だ。
これにより、大企業だけでなく、API活用におけるノウハウがなかったり、導入・運用にかかるコストの面で自社開発を行うことが難しかった中堅・中小企業においても、「LINE公式アカウント」のAPI機能を利用し、モバイルオーダーなどの機能が簡単に利用できるようになる。購入から利用開始まで、オンライン上で完結する。
さらに、2021年1月頃には、LINEの活用効果を最大化させるためのノウハウをパッケージ化し、企業向けの「運用サポートパック」として提供を開始する予定だ。「LINEマーケットプレイス」は、アプリを購入するだけの場所ではなく、「LINE公式アカウント」に関連した様々な課題を解決する場となる。
6、「LINE Frontliner」
LINEへの高い知識レベルと豊富な経験を備えたLINEの認定講師「LINE Frontliner(ラインフロントライナー)」として、第一期のメンバー6名が発表された。
Zeals 取締役COO 遠藤竜太氏
DOTZ Co-Founder&取締役CMO/I-ne ECセールス部 部長代理 稲益仁氏
オプト 上席執行役員 DX事業管掌 石原靖士氏
ペンシル 代表取締役 COO 倉橋美佳氏
ファナティック 代表取締役 野田大介氏
クラブネッツ 上席執行役員 野尻猛氏
「ユーザーと企業をつないでいく、LINEがその一助になることを願っている。そしてもっと、皆様に貢献できるプラットフォームになっていきたい」と池端氏は締めくくった。
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