アジャイルメディア・ネットワークは、同社が提唱するアンバサダープログラムの一貫として、ファンと企業の関係に主軸を置いたオンラインセミナー「withファン」を主催している。9月21日に行われた回では、カラビナハートの吉田啓介氏をゲストに迎え、事業会社時代のSNSマーケティング部門の立ち上げや、SNSマーケティングの効果指標を出す「概算力」についてお話しいただいた。本稿では、その様子をお届けする。
SNSの効果、どう可視化する?
徳力:第4回の「withファン」は、SNS関連のコンサルタント会社であるカラビナハートの吉田啓介さんにお越しいただきました。前職の「すかいらーくホールディングス(以下、すかいらーく)の吉田さん」としてご存じの方も多いと思います。現在は、どのような業務をされているのですか?
吉田:すかいらーく時代に培ったノウハウを活かし、ブランドのSNS活用や、その効果の可視化、組織づくりなど、SNSまわりのあらゆる活動を支援しています。
徳力:今「効果の可視化」という言葉が出ましたが、吉田さんは、ブランドのSNS活用において「“概算力”という費用対効果の計算式を見つける力が大切」とおっしゃっていますね。本日はこの数字の作り方について詳しく聞いていきたいのですが、まずこの考え方が生まれた、すかいらーく時代のSNS戦略について教えていただけますか?
吉田:すかいらーくでは店長から始まってマーケティング部門へ移り、ファンロイヤリティプログラムの実行、オウンドメディア、自社アプリの立ち上げや運用に従事しました。2017年からはそれまでやっていなかった公式Twitterを開始し、2年間運用チームを率いてきました。その際に学習したり工夫したりしたことが、今の職種に繋がっていると思います。
脳内シェアを高めるのがSNSアカウントの目的
徳力:すかいらーくがSNSをスタートされたのは、2017年だったんですね。吉田さんがSNSをやろうと思った理由はなんですか。
吉田:すかいらーくは数多くの外食ブランドを運営しているのですが、まず「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」「ステーキガスト」「しゃぶ葉」「夢庵」という6ブランドのTwitterアカウントを立ち上げました。
みなさんも、この中のお店に行かれたことがある人が大半だと思うのですが、ご自身の経験でわかるように、「よし、来月の日曜日の夜はガストに行こう!」というように計画して行く方は多くないのがファミリーレストラン系の宿命です。どちらかといえば「帰り道にあるのでいく」「近くにあったので行った」など日常づかいされるお店です。日常だからこそ、ふつうに「こんにちは」と言えるTwitterは、お客様の脳内シェアを高めるのにはぴったりのツールだ、という考えのもと活用すべきと考えました。
日常づかいのお店や商品は、まず脳内でのシェアを増やす、いわゆる想起率を高めるということが重要です。ごはんを食べようという時に候補として先に思い浮かぶブランドになることができれば、来店につながりやすくなるからです。
徳力:なるほど、よくわかりました。Twitterの運営では、いろいろな企画をされて話題を呼びましたが、最初から予算を付けて、企画コンテンツを作ると決めていたのですか。
吉田:自分でやるにしても個性やおもしろみだけでフォロワーを増やし着実に効果を出せるとは思っていませんでしたから、ある程度予算をかけることが必要と最初から考えていました。その結果、キャラクターやアニメ、アイドルなどのコラボをはじめとしたコンテンツを作るということもやってきました。
デジタル発信でコンテンツを積極的に作り、キャンペーンを行う背景には「お店に来る理由づくり」があります。好きなレストランやお店のファンは、週に1回、あるいは月に1回など定期的に食べに出掛けますよね。
ところが、日常づかい系のお店は「すごく好きでも嫌いでもない」、あるいは「知らないから試したことがない」という人がとても多いです。少しずつ脳内のシェアを高めていくという方法もありますが、「知らない」人を動かすのであれば、「この機会で行ってみよう」と思わせるようなきっかけを作ることがより効果的だと考えたのです。
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吉田 朗子(ヨシダ サエコ)
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 マーケティング部
広告代理店とカナダでのワーキングホリデーを経て、2018年アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)入社。AMNでは、マーケティング部に所属しながら”寄り添う企業として”をスローガンにしウェビナー、イベントなどを開催中。個人では保護犬のボランティアなどを行いながらより良い未来を模索している。
アンバサダープログラム事業部:https://agilemedia.jp/ambassador-program
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宮崎 綾子(ミヤザキ アヤコ)
編集者。編集プロダクション勤務を経て2009年に独立、“ひとり編プロ”アマルゴンを運営。PC・スマホ・ウェブ関連の技術&カルチャー書籍編集制作を中心に、PRコンテンツ企画など幅広く関わる。電子書籍の導入期にはImpress QuickBooksシリーズに参画。実績は https://amargon.net
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田口 和裕(タグチ カズヒロ)
タイ在住のフリーライター。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイトなどを中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。著書に『できるfit メルカリ&LINE&Instagram&Facebook&Twitter 基本+活用ワザ』(インプレス・共著)、『ゼロからはじめるテレワーク実践ガイド ツールとアイデアで実現する「どこでも仕事」...
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