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実践!マーケティングアカデミー

「ブラックサンダー」で世界中の子どもを笑顔に 進化するロングセラーブランドの変わらない想い

若手社員のアイデアで商品名をカタカナへ

――パッケージのリニューアルはどんなタイミング、狙いで行っていったのでしょうか?

河合:2代目パッケージになったのが2000年。このときは商品名にカタカナ表記を追加するという小さな変更でした。2003年の3代目パッケージへの変更は、ブラックサンダーのターニングポイントと言えます。ここで、商品名がカタカナ表記に変わるのです。このパッケージを担当したのは、私と一緒にマーケティング部を立ち上げたメンバーの一人です。彼はブラックサンダーがとても好きで、売れていないことを不思議に思っており、入社まだ間もないときに「パッケージを変えさせてほしい」と会社に交渉したのです。そこで生まれたのが、多くのみなさんの印象に残っている、いわゆるブラックサンダーのパッケージです。このとき「若い女性に大ヒット中!」というコピーも追加されました。

3代目パッケージ
3代目パッケージ

 そこからはヒットが続いていたので、2017年まで3代目パッケージが続きます。ところが登場から20数年が経ち、ブランドとしては一巡したというか。ブームから10年くらい経った頃だったので「昔流行ったよね」と言われるお菓子になってしまっていたのです。そこで2017年、ブラックサンダーのリブランディングを行うことにしました。

「コミュニケーションツール」としてのブラックサンダー

――リブランディングでは、どんなことを?

河合:チョコレートの比率やパッケージの変更といった商品リニューアルがまずひとつ。もうひとつ、「ブランド価値」について社内で話し合いを行いました。

 これまで、ブラックサンダーと言ったら「30円のお菓子」というイメージが強く、社内で企画を考える際にも「30円のブラックサンダーとして何ができるか」という前提のもと話し合いが行われていました。ですが、ここで改めて「ブラックサンダー」というブランドにはどんな価値があり、だから何をすべきなのか、何ができるのかを考えることにしました。その結果、ブラックサンダーには「コミュニケーションツール」としての側面もあるのではないかという気づきがありました。

――コミュニケーションツール、ですか?

河合:はい、たとえばバレンタインデーに「一目で義理とわかるチョコ」のキャッチコピーで実施したプロモーションが大きな話題になって。この取り組みは、バレンタインデーに日頃の感謝を楽しく伝えられる文化を作ることにつながったのではないかと思っています。これも一つのお菓子の楽しみ方、お菓子を通したコミュニケーションですよね。こうした新しいコミュニケーションを打ち出す力がブラックサンダーにはあるよね、という気づきから東京駅に義理チョコ専門店「ブラックサンダー義理チョコショップ」を作ったり、ラップソングを作ったり(笑)、様々なコンテンツの発信を行いました。

 またこの頃から「マックフルーリー ブラックサンダー」など、コラボ商品の展開もはじめています。お客様にとって楽しいことってなんだろう、どうやったら喜んでもらえるだろうと考え、「お菓子」という垣根にこだわらず「ブラックサンダーブランド」として、幅を広げたコミュニケーション作りに取り組んでいったのです。

 ありがたいことに「自ブランドともコラボしませんか?」というお声がどんどん増えていき、様々なコラボが実現しました。その結果、お客様の目に届く機会も増えていきました。ただし、なんでもかんでもコラボをするのではなく、「ブラックサンダーらしさがないコラボはしない」ということは強く意識していますね。

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「ずっと変わらない」ではなく「ずっと美味しい」を目指して

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/25 15:30 https://markezine.jp/article/detail/35158

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