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実践!マーケティングアカデミー

「ブラックサンダー」で世界中の子どもを笑顔に 進化するロングセラーブランドの変わらない想い

「ずっと変わらない」ではなく「ずっと美味しい」を目指して

――2019年に25周年を迎えたブラックサンダーは、2020年にもリニューアルを行われていますね。

河合:2020年のリニューアルでは、まず小さな変更としてパッケージのロゴの変更があります。そして大きな変更としては、商品の味わいを変更しました。2017年にチョコレートの比率を変えたとお話しましたが、実はこれによって味わいはほとんど変わっていませんでした。

 「ずっと同じ味」を目指して意図的に変えていなかったのですが、我々が意識すべきはずっと変わらないことではなく、「ずっと美味しい」ということなのではないかと認識を改め、現代人の嗜好にあわせて少し味わいを変更したのです。以前より甘く感じるが、甘ったるくはない、そんなブラックサンダーができました。ぜひお手にとってみてください。

 また使用するチョコレートも「ココアホライズン認証」のサステナブルチョコレートに変更しました。

「ブラックサンダー」がサステナブル活動に掲げる思い

――ココアホライズン認証のサステナブルチョコレートとはどのようなものでしょうか?

河合:ココアホライズンとはカカオ農家の繁栄に焦点を当て、自然と子どもたちを守る自立した農業コミュニティの構築を支援するプログラムです。

 2年ほど前、前社長で現会長である河合伴治がNGO団体と話をする機会を得て、その際にブラックサンダーの原材料であるカカオ産地の一部で学齢期の子どもたちが労働を強いられている現実に直面しました。そして、帰ってきて私たち社員にそのことを話してくれたのです。それを聞いたときに「これはいけない」と強く思いました。有楽製菓は「夢のある安くておいしいお菓子を創造する企業を目指します」を経営理念に掲げています。我々が提供するお菓子で、お腹だけではなく、心も満たしたいと心から思っています。その裏に、子どもたちの笑顔の犠牲があってはならないと強く思い、世界の子どもたちを笑顔にするために児童労働撤廃に取り組むことを決めました

 そのため、2020年2月より自社製品の一部で児童労働撤廃に取り組んでいるサプライチェーンによる原料の使用を開始しました。今後、段階的にサプライチェーンから児童労働を撤廃していき、2025年までに自社商品に使用するすべてのカカオ原料について、児童労働撤廃に取り組んでいるサプライチェーンによる原料へ変更することを目標としています。また、この取り組みはカカオ原料だけに留まらず、自社で使用するすべての原料を対象に変更すべく活動していきます。

 また大切なのは、自社が変わることだけではありません。ブラックサンダーが使用しているチョコレートだけでは、市場のほんの数%にしかなりませんので、最終的には市場全体でこの問題を解決しなければならないと考えています。だからこそ、このブラックサンダーという我々が持っている最大の資産を使って取り組むことで、他メーカーや消費者の皆様にこういう問題があるということをお伝えしていきたいと考えています。

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/25 15:30 https://markezine.jp/article/detail/35158

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