過去1年間のGPSデータを使えるため、休学の影響を受けない
――一般的な運用型広告は、配信対象が半径1㎞からの範囲となっています。なぜLOCAL SANDでは、より狭い範囲を対象に、位置情報広告が配信できるのでしょうか。
江藤:地元で事業を展開される店舗様にとっては、2、3キロのエリアが商圏です。新聞折込チラシのような感覚でデジタル広告も活用されたいニーズをお持ちのため、より狭い範囲にも配信できるように、開発・改善を進めてきた背景があります。
――藤林さんは、LOCAL SANDのどのような点に惹かれましたか。
藤林:まずは、地方紙とそのエリアのフリーペーパーの紙面広告と、位置情報広告がパッケージになっている点です。さらに、位置情報広告のターゲティング精度ですね。配信対象を半径100メートルから指定できますから、「大学や専門学校、自動車学校などを起点にプロモーションができる」とイメージが浮かびました。また、GPSデータも1年間分遡れるため、プランニング次第で休学や投稿頻度の減少に影響を受けないところも、私たちのプロモーションに適していました。
江藤:LOCAL SANDは、地方都市でも効果を最大化できる点が特徴です。ローカルエリアを対象とした、狭域のみでも展開可能なメディアはまだまだ少なく、性別や年代のターゲティングができるLOCAL SANDのメリットをご提供したいですね。ブランド認知だけでなく、カーディーラー、不動産など、エリアが密接に関係し、来店想起も重視するお客様からのご依頼も多くなっています。
配信対象の最適化で広告効果を高める
――では、実施されたキャンペーンの概要を教えてください。
江藤:今回のキャンペーンは、12月から2月の期間で、キモノハーツ20周年記念の振袖展示会と、袴レンタルサービスの2つの訴求を行いました。全期間通して、位置情報広告で袴レンタルサービスの訴求を行い、2月末には福岡エリアを対象に、西日本新聞本紙のテレビの番組枠で振袖展示会の広告を掲載しています。
藤林:袴レンタルサービスの訴求は、東京・大阪・兵庫・神戸・福岡の5エリアを対象に行いました。そのエリアの大学リストから、訴求したい大学を選び、過去1年間に該当の大学から400メートル以内でGPSデータを取得した、主に19歳から21歳の女性を配信対象としました。
江藤:キャンペーンをスタートしてからは、配信対象の最適化を進めました。東京、大阪の大学や専門学校の地点からGPSデータを取得できるユニークユーザーは、人口に比例し、配信ボリュームが想定以上に多く、よりターゲティングが可能と判断したんです。1月からは、東京・大阪の配信対象を、大学から半径200メートル以内に変更しました。あわせて、兵庫・神戸・福岡は、大学周辺に住んでいる学生さんも加味し、配信対象の範囲を大学から半径400メートル以上に広げました。
――クリエイティブでは、どのような訴求を?
藤林:クリエイティブは、2種類用意しました。キャンペーン期間の前半は「卒業式が中止の場合は全額返金」の訴求を。そして後半は、「まだまだ間に合う!」と、今からでも袴レンタルができることをアピールしました。プランニング当時は、まだ卒業式が実施できるかわからない大学が多かったんですね。そのため、お客様が安心して袴を借りられることを優先して制作しました。